中国はアメリカの「承認」を必要としなくなった

だが今回は違う。訪中を前向きに扱ったら、いきなりトランプの爆弾発言が飛び出し、「重大な政治的ミス」を犯したと非難される──そんなリスクを取るメディア関係者や検閲担当者はいなかった。

過去の米大統領訪中では、中国指導部にもアメリカの「承認」を得たい思いがあった。超大国アメリカの指導者を対等の立場で迎え、寛大なホスト役を演じることで、自国民に政権の権威をアピールする効果が期待できた。

だが、中国はもはやアメリカの承認を必要としていない。今では製造業大国であることに加え、世界的な技術・科学大国としての地位も十分に確立したからだ。

一方、世界におけるアメリカの指導力はかつてなく揺らいでいる。現政権は孤立主義的で同盟国に敵対的、軍事面でも苦戦中だ。長年のパートナー国でさえアメリカとのバランスを取るため、中国に接近している。

実際、今回の訪中で承認を求めているように見えたのはトランプのほうだった。ただし国家レベルではなく、個人レベルで、だ。トランプはFOXニュースで習を大げさに称賛し、「もしハリウッドで中国の指導者役を探したとしても、彼のような男は見つからない」と語った。

トランプのおもねるような態度は、米中間の力関係と互いの認識が大きく変化したことの反映なのかもしれない。ただし、それは地政学というより心理的な変化に見える。

つまり、支持率低下とイラン戦争への批判の高まりで守勢に立たされるトランプ自身の不安の反映だ。

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