Nobuhiro Kubo

[東京 8日 ロイター] - 長崎市の鈴木史朗市長は8日午前、翌日に控えた「原爆の日」の平和祈念式典にイスラエル大使を招待しない判断に「変更はない」とした上で、米国から同国大使が参加できないと連絡があったことについて「残念だが、引き続き来年以降、大使に参加いただければ」と語った。

市庁で記者団の取材に応じた鈴木市長は、イスラエル大使に招待状を出さなかったのは政治的な理由ではないとし、「平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで式典を円滑に実施したいという思いのもとで決定した」と説明した。

日本を除く主要7カ国(G7)各国と欧州連合(EU)は、7月19日付で長崎市に書簡を送付した。ロイターが閲覧した同書簡はイスラエル大使が招待されない可能性があることを憂慮する内容で、招待状を送らなければ同国をロシアやベラルーシと同列に扱うことになると指摘。各国ともハイレベルの参加者を式典に派遣することは難しくなるとしていた。

長崎市はイスラエル大使を式典に招待しないとことを7月31日に決定。鈴木市長によると、その後に日本を除くG7各国、EU、イスラエルに説明したが、今も理解は得られていないという。鈴木市長は「引き続き機会をとらえて粘り強く理解を求めたい」と語った。

在京米大使館はロイターの取材に対し、「ロシアのウクライナ侵攻とイスラエルの自衛は道徳的に同等ではない」とするエマニュエル大使のコメントを送付。同大使は「本来なら戦争だけでなく、戦争の最も恐ろしい部分である核兵器がもたらす結果について人びとが考えを巡らせるための時間であるべきだった。残念ながら市長の決定により、式典と追悼のメッセージは散漫になり、ゆがめられる」とした。

林芳正官房長官は8日午前の閣議後会見で、式典主催者の長崎市の判断だとし、「政府としてコメントする立場にない」と語った。

(取材協力:武藤邦子、Tim Kelly)

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