日中対立の狭間で揺れる韓国 ── 李在明の「二股外交」は成功するか
中国との関係強化で台湾とは?
韓国政府が中国との関係改善を図るなか、韓台関係が微妙になっている。今年2月、韓国が導入した電子入国申告書の出発地・目的地を選択するリストで、台湾が「China(Taiwan)」と表記されているという。台湾が中国の一部であるかのような表記に、在韓台湾代表部が数回にわたって抗議したが韓国政府の回答はなく、12月3日に台湾外交部が公式に是正を要求。さらに「韓国との関係を全面的に検討する」と警告し、10日には頼清徳総統も韓国を批判した。
中国政府は「『一つの中国』は国際社会の普遍的合意」と主張するが、米国や日本など多くの国は「一つの中国」を承認していない。日本は1972年の国交正常化に際して、台湾が中華人民共和国の一部と主張する中国政府の立場を「理解」すると述べるにとどめ、承認はしていない。
中国政府の反日姿勢は、国内政治の失策から国民の目を逸らすためという見方が有力だ。李在明大統領の訪中を4月から前倒しする調整が進んでいるが、中国が振り上げた拳を下ろす口実として利用したい思惑があるなら、日中対立の巻き添えを避けるどころか渦中に入ることになる。
李在明大統領の外交手腕の試金石
李在明政権の日中二股外交は、経済的利益を優先する実利外交の典型といえる。しかし、中国人観光客のビザ免除による経済効果への期待と国内の反中感情の高まり、台湾表記問題をめぐる外交的緊張など、その矛盾は既に表面化している。日中関係の悪化が長期化すれば、韓国は経済と安全保障のバランスを取ることがますます困難になるだろう。
果たして韓国は「仲裁者」として機能できるのか、それとも「鯨の喧嘩に巻き込まれる海老」となるのか。李在明大統領の外交手腕が試されている。
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