欧州、ユーロの国際的役割拡大に備えを=オーストリア中銀総裁
インタビューに応じるコッハー・オーストリア中銀総裁、2月6日撮影 REUTERS/Elisabeth Mandl
Balazs Koranyi Francois Murphy
[ウィーン 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのコッハー・オーストリア中銀総裁は、ドルの国際的地位低下を踏まえ、欧州は世界金融における役割拡大に備える必要があるとの見解を示した。ユーロが市場シェアを一段と高めるには、金融基盤の強化が不可欠と指摘した。
コッハー氏はインタビューで、「ユーロの役割はしばらく前から強まっている」と述べた。「ユーロへの関心が高まっていることがユーロ高の一因であり、より安全な避難先通貨になりつつある理由だ」と分析した。
世界の外貨準備の半分超は依然としてドルで保有されているものの、この比率は過去10年にわたり着実に低下してきた。今後もドルの比率はさらに低下すると見込まれ、ユーロが一定の恩恵を受ける可能性がある。
コッハー氏は、こうした世界的な再調整によってユーロの存在感が高まる可能性があるとして、欧州は準備を整える必要があると訴えた。「国際的にユーロの役割を拡大すること自体が目的ではないが、そうせざるを得ない状況になるかもしれない。十分に準備しておくことが重要だ」と強調した。
国際金融システムの安定化に向け、国際レポやスワップなど利用可能な手段について議論していると説明し、「これは備えであり、金融安定を維持する責務の一部だ」と述べた。
また、米政権のドルに関する発言は方針転換を示すものではないとの見方を示した。「米政権はドル安をさほど懸念していないとの声明を出している」と指摘。「米国が懸念していないということは、これまで起きたことに米国は対処しないことを意味する」と語った。
<政策スタンスは目標と整合的>
ユーロ圏の金融政策についてコッハー氏は、ECBが現状を維持している点を評価し、政策スタンスを調整する議論に入るには、実質的な環境の変化が必要になるとの考えを示した。
「リスクは現在均衡している」とし、「インフレ見通しに関しても経済見通しに関しても同様だ」と述べた。ユーロ高はインフレを抑える方向に作用するが、為替の動きは2025年上期に生じたため、予測に完全に織り込まれていると説明した。見通しはECBの9月時点の予測以降、おおむね安定しているとの認識を示した。
インフレ率が目標から大きくそれて、長期的なインフレ期待を低下させるような場合にのみ為替レートが懸念材料になると述べた。
ただ、これは現時点では理論上の議論であり、そうした変化を示唆するものは何もないという。「政策スタンスを実際に変更するには環境の変化が必要だ」とし、「現時点では政策スタンスはわれわれの目標と整合的で一致している」と語った。





