【バズる抗議】「ワンピース」の旗を掲げるZ世代の反乱――ネットミームはなぜ革命の「共通言語」になったのか
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モロッコでは、政府が教育や医療に十分な予算を割かない一方で、2030年に共催予定のサッカー・ワールドカップの準備に数十億ドルも投じることへの怒りから9月、若者たちのデモが始まった。
それぞれの国に固有の事情がきっかけで起きた抗議運動ではあるが、既存の政治に若者世代がノーを突き付けたという点は共通している。運動の背後にあるのはイデオロギーではなく、一般市民と権力側の格差の広がりや汚職や偽善に対する怒りだ。
運動にリーダーがいない点も共通している。若者たちをつなぐのはインターネットであり、画像やシンボルといった視覚言語が大きな役割を果たしている。
例えばデモの横断幕には、人気漫画『ONE PIECE』(ワンピース)に出てくる麦わら帽子をかぶったどくろのマークなど、ネットで人気のシンボルが描かれている。
怒りを伝えるネットミーム
こうしたシンボルは、反抗精神や皮肉、ユーモアを表現するとともに、若者たちをつなぐ役割を果たしている。なにせ彼らは、インターネットミームに乗せて怒りを表現するのに慣れた世代。
若者たちの怒りやデモの情報はネットを介して画像やシンボルを使って伝えられるため、短い時間で国境を超えて拡散され、共感を集める。





