バイデンと同じ「戦犯」扱い...トランプの「バラ色の経済」メッセージが国民に響かない理由
Trump’s Numbers Game
世論調査アナリストのネート・シルバーは、トランプの支持率推移を「自由落下」と評する。純支持率(支持率から不支持率を引いた値)は現政権期間で最低のマイナス14ポイントに達し、政府機関の閉鎖が収束に向かっても「不人気は続くかもしれない」と言う。
ジョージ・ワシントン大学のトッド・ベルト教授は、有権者の不満の対象がインフレ自体から物価高と不安定な経済に移りつつあると本誌に語った。「物価は高止まりし、収入が追い付く気配はない。政府契約や公的支出の打ち切りで労働時間を削られたり、職を失った人も多い」
さらにベルトは、関税と連邦政府支出をめぐる政策転換の混乱が国民の不安を強めているとも述べた。「バラ色のメッセージを発信しても、人々が財布で感じる体感を消すことはできない。大統領は進路を明示し、政策転換がもたらす衝撃を回避することで国民の士気を高められるが、今のところトランプはそうしたことが得意ではない」
観客からのブーイング
トランプ政権も発信内容の調整を試みてはいる。ニューヨーク市長選で民主党のゾーラン・マムダニが「アフォーダビリティー(無理なく暮らせる経済状態)」を前面に打ち出して大勝すると、トランプはこの言葉が注目を集めていると認め、共和党はその点について「十分に語っていない」と話した。ただし数日後には一転して、その話は「もう聞きたくない」とも語った。





