超小国スロベニアを揺るがす米欧の亀裂...大統領が語る国際法と安全保障
POWER AND PRINCIPLE
スロベニアの女性大統領ピルツムサルは根っからの平和主義者 MICHAEL PROBSTーPOOLーREUTERS
<旧ユーゴスラビアの一角から独立したスロベニア。その大統領ピルツムサルは、メラニア・トランプの元弁護士という異色の経歴を持ちながら、国際法の危機と欧州の脆弱さを訴える。時代の転換点で、小国が直面する現実とは何か>
▼目次
アメリカ含む各国の「国際法軽視」に懸念
「欧州は弱くなる」...揺れるEUの結束
ドローン侵入とサイバー攻撃──NATO周辺で高まる「ハイブリッド脅威」
ナターシャ・ピルツムサル(57)は今もメラニア・トランプ(言わずと知れたアメリカのファーストレディーだ)と親密な関係にある。その証拠に、欧州安保をめぐる筆者のインタビュー中も、メラニアの名が出るたびに彼女の顔はほころんだ。
無理もない。今でこそピルツムサルは欧州東部の独立国スロベニアの大統領だが、2016年から19年までは2歳年下で同国出身のメラニアの顧問弁護士を務めていた。メラニアは今も、ピルツムサルのメールにはすぐ返信してくるそうだ。
「彼女を誇りに思う。彼女がいると、トランプ大統領も少しはソフトになるみたいだ」。22年にスロベニア初の女性大統領となったピルツムサルはそう言った。
1991年、ソ連邦の解体に伴って旧ユーゴスラビアから独立したスロベニアは04年にEUとNATOに加盟。人口200万ほどの小さな国だが、歴史的に欧州圏との親和性が高く、政治的にも経済的にも安定している。北はオーストリア、西はイタリアと国境を接しており、ロシアからの直接的な脅威は感じていない。またアメリカとの貿易量は微々たるもので、トランプ政権の関税攻撃の脅威ともほぼ無縁だ。

スロベニア中部の町セブニツァの出身で元モデルのメラニアは、めったに政治に口を出さない。しかし8月に米ロ首脳会談が開かれた際には夫を介してロシアのウラジーミル・プーチン大統領に親書を送り、戦争で苦しめられている子供たちの保護を訴えた。そして10月10日には記者会見を開き、自分の築いたプーチンとの「開かれた対話チャンネル」により、ウクライナの子ら8人が家族との再会を果たしたと発表した。
この親書の一件は、メラニアが常に弱者を気にかけていることの証しだとピルツムサルは言い、ヨーロッパもロシアとの対話の「チャンネルを開けておくべき」だと強調した。またメラニアの「ソフトパワー」と、夫のトランプ大統領に異を唱える強さを称賛し、「相手の目を見つめて、何が正しいかをはっきり言ってやれる。それができるのは夫婦だけ」だとも筆者に語った。
もちろん、メラニアだけがスロベニアとアメリカをつなぐ絆ではない。91年にスロベニアが独立を宣言したとき、早い段階で承認した国の1つがアメリカだ。以後も一貫して友好的な関係を保っている。
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