【徹底解説】トランプ関税は終わるのか? 米最高裁が合法性を問う審理を開始
Supreme Court Rules on Donald Trump’s Tariffs: What To Know
多くの国に相互関税を課す大統領令に署名したトランプ。写真はその税率表(4月3日、ホワイトハウス)Andrew Leyden via Reuters Connect
<トランプは大統領の権限を逸脱し、緊急条項を濫用したのか? 判決はいつ出る? 違法だった場合、徴収された関税は返済されるのか?>
米連邦最高裁判所で11月5日、トランプ関税の合法性を問う審理を開始した。2025年初頭にドナルド・トランプ大統領が国家の緊急事態に用いられる法律を根拠に発動した大規模関税措置の合法性が問われている。大統領が経済・外交政策を理由に「危機」を宣言して行動する際の裁量がどこまで認められるかを巡る判例となる可能性がある。
なぜ重要か
争点となっているのは、大統領による包括的な関税政策の違法性だけでなく、大統領権限の範囲だ。
この裁判は、大統領が「緊急事態」を理由に議会の関与なく通商政策を大きく転換できるか、その是非を問う。将来の大統領が経済や外交政策を推進する際の行動範囲を大きく左右する判例となる可能性が高い。
背景と法的論点
この裁判で問われているのは、1977年に制定された「国際緊急経済権限法(IEEPA)」にある。国家緊急事態が宣言された場合、大統領が一部の国際取引を規制できるとするものだ。
トランプはこのIEEPAを根拠に、当初は中国、カナダ、メキシコに最大125%の関税を課し、その後ほぼすべての貿易相手国に拡大した。






