最新記事
ウクライナ戦争

キーウが燃えている...飛来するドローン、避難先の人々、終わりなき恐怖...戦争と人々のリアルとは

Another Bad Night in Kyiv

2025年6月18日(水)18時00分
アニ・チヒクバゼ(ジョージア人ジャーナリスト)

6月10日の爆撃後のキーウ市内の様子

大量のドローンとミサイルを併用した6月10日の爆撃ではキーウ市内の7つの地区が大きな被害を受け、4人が負傷したと報告されている YEVHENII ZAVHORODNIIーGLOBAL IMAGES UKRAINE/GETTY IMAGES

爆弾の音に遮られても、おしゃべりは続いた。戦時下の日々を生き抜く人々は、自分のことを語らずにいられない。語ることで、自分の苦しみと日々の勇気に意味が生まれ、無駄に生きてるんじゃないと思えるからだ。

最初はアドレナリンが出まくっていたせいで、私の頭はすごくクリアだった。でも何時間かすると疲れてきた。テレグラムとX(旧ツイッター)を何度もチェックしながら思った。私の運命はウクライナ軍の、もう十分すぎるほど疲れ切った防空部隊に委ねられているのだと。私は無力。でも心が折れずにいる自分を、少しは誇らしく思えた。


爆撃がさらに激しくなったので、建物の地階に移動することにした。でもエレベーターと階段、どちらを使うかで意見が分かれた。一番近いシェルターまでは徒歩10分。ドローンが飛び交うなかで歩いて行ける距離ではなかった。

地階に降りると犬を連れた子供たちが床に座り、爆発のたびに震えていた。誰も声を発しない。隅っこに9歳の坊やがいた。その子を見て、戦争が日常化することの恐ろしさを思い知らされた。まだ小さいのに、彼は私よりもずっと冷静にこの事態を受け止めているようだった。飛来するミサイルの音を聞き分けて、それでシェルターに行くべきかどうかを決めたという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

政府内に省エネ呼びかけ案、エコ運転など「ナッジ手法

ワールド

世界食料価格、中東紛争で上昇 肥料コスト高も影響

ワールド

ウクライナ軍、ロシアの攻勢阻止 前線は良好=ゼレン

ワールド

パキスタンとアフガンの和平交渉、着実に進展=中国外
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 5
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中