トランプとプーチンの「停戦放置」の裏に、ウクライナ領土の半分を奪う計画か?
Trump's Ukraine deadline for Putin passes. What next?

英首相官邸の外で、ゼレンスキーをプーチンに供するトランプの絵を掲げるイギリスの風刺画家カヤ・マー(4月23日、ロンドン) © Tayfun Salci/ZUMA Press Wire
<「2週間以内で本気の停戦努力をしなければアメリカは別の手段を取る」などの要求を無視し続けているにも関わらず、トランプはプーチンを罰することに依然気乗り薄。それどころか「しばらくけんかさせておけ」と放置する構えだ>
ドナルド・トランプ米大統領は4月中旬、ホワイトハウスで記者団に対し、ロシアのウラジーミル・プーチンがアメリカを欺いて停戦交渉を引き延ばしているだけなのか、見極めるつもりだと述べた。「2週間以内に停戦交渉に本気で取り組む姿勢を見せなければ、アメリカは別の手段を取る」と、プーチンに迫ったのだ。
その期限はとうに過ぎたが、ロシアの停戦交渉に対する態度は今も本気から程遠い。そしてトランプがどう動くつもりなのかという明確な見通しも示されていない。
かつてロシアとウクライナに駐在した経験を持つ元英国防武官のジョン・フォアマンは、「プーチンは2週間の期限など本気にしていない」と本誌に語った。
トランプは最初からあからさまなプーチン批判を避けてきたが、ロシアが停戦交渉の最中にウクライナへの空爆を繰り返して死者を出していることについては繰り返し批判。ロシア政府は「われわれを煙に巻いているだけ」の可能性があるとも示唆してきた。
ウクライナ南部オデーサ州選出の国会議員オレクシー・ゴンチャレンコは本誌に対して、プーチンはトランプがロシア政府を痛い目に合わせるまで「このゲームを続けるだろう」と語った。
本誌はこの件についてホワイトハウスにメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。