最新記事
大学

トランプの「国力低下」政策が止まらない!...世界トップクラスの大学を「潰したがる」理由

Destroying America’s Crown Jewel

2025年3月24日(月)16時05分
ハワード・フレンチ(コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授)
マフムード・ハリル(Mahmoud Khalil)の釈放を求める人々

ハリルの釈放を求める人々。コロンビア大学はトランプ政権の「見せしめ」に(3月18日、ニューヨーク) MOSTAFA BASSIMーANADOLU/GETTY IMAGES

<「敵対勢力を喜ばせるため」としか思えない政策ばかり。コロンビア大学を皮切りに「教育に対する戦争」を始めたトランプ政権の「真の目的」とは?>

アメリカの国力を低下させるため、敵対勢力がホワイトハウスに通ずるパイプを確保し、米政府の政策に影響を及ぼそうとする。いや、もっと直接的に、大統領の頭の中にアメリカを凋落させるアイデアを吹き込もうとする......。

もしそうなったら、敵対勢力はどんなアイデアを吹き込むだろう。


アメリカの国力を支える要因は多くあるため、敵対勢力はどこから手を付けたらいいか迷うはずだ。

まずは移民・難民など多様な人々を受け入れるアメリカ社会の懐の深さ。長い目で見れば、それが米経済の繁栄をもたらしている。これを打ち壊すには、排外主義や偏見をあおる政策が有効だろう。多様性・公平性・包摂性(DEI)の取り組みを撤廃するのもその1つだ。

領土拡大を目指す権威主義国家の侵略に苦しんでいる国(しかも、アメリカと長年同盟を組んできた欧州諸国の隣に位置する国だ)への支援を突然打ち切ることも、国際社会におけるアメリカの評判を落とすのに役立ちそうだ。

「戦争を始めたのはロシアではなく、ウクライナだ」と発言することもそう。

さらには人権理事会やWHO(世界保健機関)などの国連機関から離脱すること。トランプ米政権のこの決定も、人間の尊厳と自由を守る闘いや人類を脅かす感染症との闘いで「アメリカは指導力を発揮しない」という宣言になる。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルおおむね下落、米景気懸念とFRB

ビジネス

ステーブルコイン普及で自然利子率低下、政策金利に下

ビジネス

米国株式市場=ナスダック下落、与野党協議進展の報で

ビジネス

政策不確実性が最大の懸念、中銀独立やデータ欠如にも
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中