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荒川河畔の「原住民」(24)

7回の自殺未遂を経験しながら、若者の自殺を止めたホームレスの死生観

2025年3月5日(水)16時30分
文・写真:趙海成


生と死について

(1)
死とか、日々の生活は
生まれた時から
もしくは生まれる前から
決めているような気がする
地球でいつ、どこで
この災害が起きることが決まっていて
人間の自然破壊、
人間がやり始める戦争などに
地球は怒っている

(2)
だから地球は動き、災害を起こす
そして人は地球や太陽に生かされていて
生きているのではない
そして人々は
地球に家賃、お金
払ってないのに
全ての人が地球に
居座って好き放題やるから
地球は怒り起こり限界に来ている

(3)
人の命はいつまで
どんな暮らしになるか
きまっているような気がする
その運命に逆らうので
離婚、貧困、犯罪など
みちがずれていく
死ぬ時も決まっているのに
延命(医者)によって
よけい苦しめられて、高いお金もかかる

(編集部注:征一郎さんの直筆の歌詞を、筆者が一部、平仮名を漢字に変えるなど変更した)

インタビューを終えようとすると、征一郎さんは、文章の最後に次のようなひと言を加えてほしいと頼んできた。

――「僕の年齢はすでに半世紀を超えており(正確には53歳)、多くの喜怒哀楽の感情や、出会いと別れを経験してきた。これからの人生をどのように過ごしていくのかは予測できないが、時代や環境の変遷とともに歩み、力を尽くせば、何らかの変化を起こすことができるかもしれない」

※征一郎さんの死生観についての前編はこちら:7回繰り返した自殺未遂について、このホームレス男性は穏やかな顔で語った


相談窓口「日本いのちの電話」
厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけています。
0570・783・556(10:00~22:00)
0120・783・556(毎日 16:00~21:00、毎月10日 8:00~翌日8:00)


(編集協力:中川弘子)


[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。


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