開発費用たったの560万ドル...ディープシークの衝撃は「中国の逆襲」の始まりか

DeepSeek Shock Waves

2025年2月13日(木)16時02分
マイカ・マッカートニー、シェーン・クロウチャー、シオ・バーマン

もはや中国は、「まあまあの性能の半導体を製造できればよくなった」と、AI導入支援企業エビデントのアレグザンドラ・ムサビサデCEOは語る。

「たとえ最先端の技術がなくても、(AIなど)極めて競争的な製品を生み出せることが明らかになったのだから」

ディープシークがアメリカで成功した主な要因は、入手しやすさ、費用対効果、そしてパフォーマンスだ。ディープシークの説明によると、推論と数学的な問題解決において、オープンAIの最新モデルである「o1(オーワン)に匹敵する」。


オープンAIのサム・アルトマンCEOはX(旧ツイッター)の投稿で、「R1は、特にあの価格で提供できる性能を考えれば、優れたモデルだ」と称賛しつつ、自分たちの成功には「計算能力がかつてないほど重要だと信じている」とも強調した。

コンピューターサイエンスの第一人者でカリフォルニア大学バークレー校教授のスチュアート・ラッセルは、ディープシークのモデルが米企業の最先端のシステムに肩を並べるかどうかを「判断するのは早すぎる」と言う。

「彼らの主張が正しければ、中国の開発者がアメリカのシステムをリリースから数カ月でほぼ再現することに成功した新たな事例、ということになる。o1の仕組みの概要はかなり早い段階、リリース前から知られており、ほぼ再現できることにはそこまで驚かない」

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