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トランプ再登板で米国の影響力は減退、中国を「世界のリーダー」に押し上げる?

“AMERICA FIRST” IN ACTION

2025年2月10日(月)18時43分
ピーター・シンガー(米プリンストン大学名誉教授・生命倫理学)

皮肉な話だが、「アメリカ第一主義」の名の下に取られたこれらの措置は、アメリカの真の長期的利益に真っ向から反している。

今後数十年の間に、アメリカ人はさらに暑い夏に苦しみ、より激しい嵐や洪水に見舞われ、先日ロサンゼルスの広い範囲を焼き尽くしたものより大規模な山火事と闘い、海面上昇によって低地の沿岸地帯が水浸しになるため内陸へ移住することになるだろう。

トランプの別荘マールアラーゴがあるフロリダ州南部の広い地域も、その沿岸地帯に含まれる。

トランプがこれまで下した決定の中に、アメリカを再び偉大にするものは一つもない。むしろトランプの大統領返り咲きはアメリカの国力を減退させ、ライバルの中国を世界のリーダーに押し上げる強い追い風となっている。


©Project Syndicate


newsweekjp20250114022536-05ab3a984cf677c4c9c6c24bced6554f72fe1b17.jpgピーター・シンガー
PETER SINGER
プリンストン大学名誉教授(生命倫理学)。著書『動物の解放』(1975年)で注目を集めた。NPO団体The Life You Can Save(あなたが救える命)創設者。オーストラリア出身。

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