最新記事
オリンピック

テレビの前で猫パンチ連発...女子体操を見たネコたちが次々「ハンター化」一体なぜ?

Cats Flip Out Over Paris Olympic Gymnasts' Routines, Expert Explains Why

2024年8月10日(土)08時30分
リズ・オコネル
興奮する猫

YULIYA Shustik-shutterstock

<パリ五輪期間中、猫がテレビの前に陣取って体操選手の動きを楽しむ動画がネット上で話題に。しかも1つや2つではない。なぜ猫たちは「体操競技」に夢中になるのか──その理由を専門家に聞いた>

連日盛り上がりを見せているパリ五輪。開幕から最初の1週間、花形競技の一つである女子体操でシモーネ・バイルズ選手をはじめとする米代表チームが次々とメダルを獲得した。

【動画】女子体操を見て「ハンター化」するネコたち

その活躍に世界中の人が魅了された。だが彼女たちの見事な演技に夢中になったのは、体操ファンだけではなかったようだ。

体操競技が始まって以降、インターネット上にはテレビ画面に釘付けになっているネコたちの動画がいくつも投稿された。

動画の中のネコたちは女子団体で金メダルを獲得した米代表チームの全ての競技の演技に「全集中」して見入っている。なかには画面を前脚でそっと(あるいは激しく)引っ掻く仕草を見せる猫もいた。

TikTokユーザーの@goosecommasillyは、「グース」という名の白い猫の動画を共有。動画の中でグースはテレビ台の上に座って、バイルズの平均台の演技に見入っている。

グースは驚きのあまり目を見開きながらバイルズの一挙手一等足をじっと見つめ、その後ほかの選手たちが回転や宙返りをすると前脚でテレビ画面を触り始めた。

ほかの複数の動画にも、選手たちが段違い平行棒の演技で宙返りをしたり床の演技でひねりや回転をしたりするたびに、ネコたちがその動きに合わせて動く様子が映っている。

狩猟本能がかき立てられる

ネコたちはなぜ、このような行動を取るのか。ネコの行動学の専門家であるレイチェル・ゲラー博士が本誌に語ったところによれば、その理由はきわめて単純で、体操選手たちの動きがネコの「獲物」の動きに似ているからだという。「ネコは動きに非常に敏感だ」とゲラーは述べた。

生まれながらのハンターであるネコは、常に獲物を追うスリルを求めている。とりわけ予測不可能な動きを見ると、本能的に獲物を追う衝動が駆り立てられるのだ。

ゲラーの説明によれば、獲物はハンターであるネコを欺くために時折動きを止めたり死んだふりをしたりすることがある。体操選手はネコにとって獲物ではないが、選手たちの「突発的な動き」がネコの狩猟本能を引き出すようだ。

たとえば選手たちは、床の演技では信じられないほどの高さまで跳び上がってからぴたりと着地し、一旦止まってリセットした後にまた回転する。このように静止と激しい動きを繰り返すところが獲物の動きによく似ているのだ。段違い平行棒の演技にも同じことが当てはまる。

「段違い平行棒の演技では、選手たちはさまざまな動きをした後に棒の間を移動して倒立をしたりする」とゲラーは指摘。「この激しい直線的な動きが、ネコにとってはとても魅力的なのだ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米首都近郊で起きた1月の空中衝突事故、連邦政府が責

ワールド

南アCPI、11月は前年比+3.5%に鈍化 来年の

ワールド

トランプ氏、国民向け演説で実績強調 支持率低迷の中

ワールド

ドイツ予算委、500億ユーロ超の防衛契約承認 過去
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中