最新記事
南米

ベネズエラ大統領選、野党が73%得票主張 各地で抗議デモ

2024年7月30日(火)11時27分
選挙結果への抗議デモ、カラカス

南米ベネズエラで7月28日に投開票が行われた大統領選で、野党指導者 のマリア・コリナ・マチャド氏は29日、野党が73.2%の票を獲得したと述べ、野党が主張する勝利を証明したとした。写真は29日、選挙結果への抗議活動の現場で炎上する警察のバイク。カラカスで撮影(2024年 ロイター/Alexandre Meneghini )

南米ベネズエラで28日に投開票が行われた大統領選で、野党指導者 のマリア・コリナ・マチャド氏は29日、野党が73.2%の票を獲得したと述べ、野党が主張する勝利を証明したとした。

選挙管理委員会は現職のマドゥロ大統領が得票率51%で3期目の当選を果たしたとしている。

一方、独立系世論調査機関は選挙結果に疑問を呈し、野党指導者や海外の監視団は選挙管理当局に結果の詳細を公表するよう求めていた。

マチャド氏は野党の集計ではマドゥロ氏の得票数が275万票、野党候補のエドムンド・ゴンサレス氏が627万票だったと述べた。

選管当局はマドゥロ氏が515万票、ゴンサレス氏が445万票を獲得したとしている。

ベネズエラの法律では、開票を監視するため任命された人は各投票機の集計結果をコピーする権利がある。ただ、野党は投票記録の約40%しか入手できていないとし、一部の立会人が集計を妨害されていると述べていた。

29日には全土でマドゥロ大統領に抗議するデモが行われ、選管事務所の外やカラカスの大統領宮殿前にデモ参加者が集まった。参加者は「もううんざりだ、自由が欲しい」などと声を上げた。

カラカスやマラカイでは警察がデモ隊を排除するために催涙ガスを使用した。

票の集計や抗議デモに関連して29日までに少なくとも2人が死亡した。

マドゥロ氏は国営テレビで、報酬をもらった扇動家が選管事務所を攻撃したと主張。「われわれは暴力的な者を打ち負かす方法を知っている」と述べた。

パドリノ国防相は反政府デモが広がり数百人が死亡した「2014、17、19年の悲惨な状況」を繰り返してはならないと強調した。

マドゥロ氏の選対部長を務める与党議員は支持者に対し、政府を支持する行進を30日に行うよう呼びかけた。

野党のマチャド氏も30日にカラカスの国連事務所前に集まるよう支持者に訴えた。

バイデン米政権は29日、ベネズエラの選挙についてマドゥロ大統領側の「選挙操作」だと非難した。また、マドゥロ氏が勝利したとする同国当局の発表は「いかなる信頼性も失った」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日中首脳、台湾を議論 高市氏「良好な両岸関係が重要

ビジネス

アングル:ドル155円の攻防へ、相次ぐ円安材料とべ

ワールド

中国習主席、APEC首脳会議で多国間貿易体制の保護

ビジネス

9月住宅着工、前年比7.3%減 6カ月連続マイナス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中