最新記事

ペット

イヌの寝相には大事な意味がある...それぞれの姿が示す「繊細な心理状況」とは?

The Sleep Talk of Dogs

2022年9月23日(金)17時35分
スー・キム
イヌの寝相

LTURAY/ISTOCK

<「ドーナツ」は不安、「へそ天」はリラックス、「スーパーマン」は今すぐ起きて遊べるサインなど、それぞれの寝姿には犬の感情と本能が関わっている>

人間と同じで、犬たちもさまざまな寝相で眠る。しかし彼らは、快適な姿勢を取っているだけなのか。それとも、寝相はそれぞれに何か意味があるのだろうか。

犬は1日の半分を睡眠に充てることもある。その寝姿勢は「犬たちに今も残っている野生の頃の習慣を知る手掛かりになる」と、愛犬家団体アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)の獣医務担当最高責任者ジェリー・クラインは本誌に語った。

犬の寝姿勢を決める要因は、いくつもある。安心感や不安感、それに気温などだ。

「私たち愛犬家は、犬が取っている姿勢の意味を知っているつもりでいる」と、AKCの応用動物行動学者メアリー・バーチは言う。「例えば耳を倒し、歯を見せて体をこわばらせていたら、飼い主に『警告』を発している状態。まぬけな笑顔を見せていたら幸せな証拠だ......とか」

だが彼らの心理を表すのは、目覚めているときの姿勢だけではない。犬の一般的な寝姿勢と、その意味をいくつか紹介すると──。

■ドーナツ

バーチによれば、多くの犬が眠りに就くときは、この姿勢だ。体を丸めて四肢をしまい込み、頭も曲げて、一つのドーナツのように丸くなる。不安感に関係しているとみられ、保護されたばかりの犬はこの姿勢をよく取る。

だが、そこには寒さも関わっている。人間と同じように、体を丸めることで体温を逃さないようにしているのだ。

「温める必要がなくなると転がったり、四肢を伸ばしたりする」と、バーチ。クラインによれば「(急所である)おなかを守る姿勢なので、不安の表れとも受け取れる。新しい飼い主にもらわれたばかりの犬、特に成犬は新たな環境に慣れるまでこの姿勢で眠ることが多い」という。

■横向き

横向きで眠っている犬も多い。頭を床に付けて、四肢を投げ出す。この姿勢で居眠りをしていたら、安全と快適さを感じてリラックスしている印だ。「この寝姿勢のときに脚をばたつかせていたら、いい夢を見ている」と、バーチは言う。「夢の中でウサギを追い掛けたり、野原を走り回っているのだと思う」

■へそ天

あおむけになって、おへそを見せているのは、完全にリラックスしていて今の居場所に安らぎを感じている証拠だ。

「外敵を警戒する感覚を持つ動物は、おなかをむき出しにしない」と、バーチ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中