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「幸せの国」ブータンの意外に不都合な真実

2018年5月28日(月)11時55分
テジ・パリク(ジャーナリスト)

06~15年のGDP成長率が平均7.5%というブータンは、急速な発展と持続可能な開発モデルの間で揺れ動いている。1日250ドルという高額な観光ビザは収入源であると同時に、旅行者の大量流入を防いできた。

一方で、水力発電の開発推進は環境の劣化につながった。99年にテレビ視聴を解禁した際にはMTVやファッション番組などを除外し、欧米の影響を制限しようとしたが、その後すぐにインターネットが普及した。

ティンプーにWi-Fi完備のカフェが出現するにつれ、若者が地方から首都になだれ込んでいる。しかし十分な仕事があるとはいえず、16年には全国の若年者失業率は13.2%を記録。そのため政府はさらなる経済の多様化や、インド以外の国からも直接投資を呼び込むことを迫られている。消費文化が浸透し、伝統的な衣装や音楽が脇へ追いやられることに高齢層の心境は複雑だ。

ただ、折衷案はあるはずだ。経済成長と外国にもオープンな市場はブータンに新しいアイデアとチャンス、そして文化的融合をもたらす。

ブータンが矛盾を解消し、有効な発展モデルに行き着くまでにはかなりの時間がかかるだろう。この国では何世紀もの間、広大な山々が他国からの影響を阻んできた。しかし今は国内でうずく成長に伴う痛みが、変化をもたらす圧力となっている。


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From thediplomat.com

[2018年5月29日号掲載]

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