最新記事

動物

韓国でスープになる直前の犬を救出 ベトナムでは犬食が国際問題に!

2017年7月24日(月)19時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

現地で長年、犬の保護とリハビリのための施設を運営するリンダ・ブラーは、「バリ島の人の多くはヒンズー教徒で宗教上の理由で犬は食べない。犬肉の取り引きは、国内の他の地域から人が入ってきて金儲けのために増えた」と説明する。「中国やベトナムで犬食は普通のことだろうけど、バリでは違う。ここ10年の話だから、バリで犬食を止めるのは難しくないことだと思う」。カナダのニュースサイト、グローバル・ニュースが報じた。

就労先でペットが消える

一方、ベトナムでは近隣の国をも巻き込んだ騒動になっている。海外に労働者を多く送り出しているベトナムだが、マレーシアに渡った一部の労働者のせいで、現地のペットの犬や猫が姿を消したというのだ。7月19日付のベトナムのニュースサイト、VNエクスプレスが伝えた。

政府系ニュースサイト、インフォネットが報じるところによると、事態を重く見たベトナム労働・傷病兵・社会省海外労働局のハ・ミン・ドゥク副局長は、ベトナムから海外へ渡る労働者は規律がないことが問題だと語った。特に犬や猫の肉を好む男性労働者を批判し、「彼らは集まるたびにお酒を飲んだり、賭けごとに興じる。一部の労働者がマレーシアに行ってペットが消え始めるし、それだけじゃなく見つけた鳥は全てお粥の中に突っ込んで食べる」と言った。

VNエクスプレスは、ベトナムでは毎年約500万匹の犬を食べると報じている。特に北部地域は犬食の文化が根付いている。

ただ、働きに出た先の国では違う。現在ベトナムは、工学、看護、観光など複数の分野でASEAN諸国へ労働者を送り出しており、今後さらに規模が拡大すると予想される。ドゥクは、海外就労を希望する者に、より現代的な考え方を教える必要性を指摘。「マナーを教えることは、彼らのキャリアに大きな違いをもたらすだろう」と語った。

国際化の波に乗って、文化の異なる国との関わりが、広がり続けるアジア。犬食だけでなく、様々な違いを理解し、マナーを浸透させるといったソフト面での取り組みを強化していくことが、ひとつのカギではないだろうか。

【参考記事】グルメ食材が「絶滅」する日
【参考記事】ウォンバットのうんちはなぜ四角いのか


【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!

ご登録(無料)はこちらから=>>


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反落、一時700円超安 前日の上げ

ワールド

トルコのロシア産ウラル原油輸入、3月は過去最高=L

ワールド

中国石炭価格は底入れ、今年は昨年高値更新へ=業界団

ワールド

カナダLNGエナジー、ベネズエラで炭化水素開発契約
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中