最新記事

韓国

韓国セウォル号、沈没から1073日目で海上へ 引き揚げは最終段階

2017年3月24日(金)10時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


304名が亡くなり、いまだ9名が未回収

newsweek_20170323_223016.jpeg

ソウル市光化門前広場にあるセウォル号遺族テント

事故は、2014年4月16日に起きた。前日、仁川港を出発した旅客船セウォル号は全羅南道珍島郡鳥島面付近の海上で沈没。修学旅行のために乗船していた京畿道安山市の檀園高校2年生のほか、乗員・乗客476人のうち304人が犠牲になる大惨事となった。そのうち9名はいまだに遺体が回収されていない。

マネートゥデイなど韓国メディアによると、檀園高校生の遺族約40名は引き揚げ作業が始まる22日から、海洋水産部が手配した漁業指導船「ムクゲ2号」に乗って、引き揚げ現場から1.5キロ離れた船上から引き揚げ作業を見守っている。

遺族が一番待ち望んでいる9名の未回収者の捜索について、キム・ヨンソク海洋水産部長官は23日午前、遺族らの元を訪れて、「船の位置のうちAデッキ、Bデッキ部分に未回収者がいるものと予想している」と明らかにした。NEWS1によれば、"Aデッキ、Bデッキ"はセウォル号の船体左舷後方にある旅客室のことで、海洋水産部はこれまでの通信記録と目撃者の証言を元に、未回収者がここにいると考えている。

今回の引き揚げ作業では、この9名の未回収者の捜索が最優先となっており、沈没直後に犠牲者捜索活動などで船体へ開けられた穴を通じて、未回収者や遺留品などが流出されないよう、2.5cmの網目の250m×150mという巨大なフェンスでセウォル号全体を包み込んでいる。引き揚げが終わるとこのフェンス内と、セウォル号が横になっていた海底の両方をダイバーが捜索することになっており、さらに木浦新港にセウォル号が移されると、船内の捜索も行われる予定だ。

事故原因については、船内増築による復元性が不足した状態で、貨物の固定ベルトが不良だったためバランスを崩したためと捜査当局は分析しているが、木浦新港での船内捜査によって事故の真相究明が進むことに期待が寄せられている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

テスラに2.43億ドルの賠償命令、死傷事故で連邦陪

ビジネス

バークシャー、第2四半期は減益 クラフト株で37.

ビジネス

クグラーFRB理事が退任、8日付 トランプ氏歓迎

ビジネス

アングル:米企業のCEO交代加速、業績不振や問題行
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マイクロプラスチックを血中から取り除くことは可能なのか?
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 6
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 9
    ハムストリングスは「体重」を求めていた...神が「脚…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中