最新記事

ゲーム

韓国で唯一ポケモンGOがプレイできる町に観光ブーム

2016年7月15日(金)16時40分
シボーン・オグレイディ

Shannon Stapleton-REUTERS

 アメリカで爆発的な人気となっている「ポケモンGO」。日本に先駆けて7日にサービスを開始したアメリカでは、街中に出現するポケットモンスターを捕まえようとスマートフォンを見ながら歩き回る熱狂者が続出。これまでも意外なところでモンスターが出現し、話題になってきた。

 例えば首都ワシントンD.C.にあるホロコースト記念館、バージニア州にあるアーリントン国立墓地、ニューヨークにある9/11メモリアル・ミュージアム......。

【参考記事】クレムリンにもポケモン現る

 そこに仲間入りしそうなのが韓国の束草市。韓国ではまだサービスが開始されていないにも関わらず、束草では唯一、ポケモンGOのアプリが起動するというのだ。報道によると、韓国当局はその原因について、ゲームのシステムが誤って束草を北米エリアに分類したためだと説明した。

ホテルの予約が一週間で4倍に

 理由が何であれ、人口8万人という小さな海辺の町の観光産業が、この事態を喜ばないはずがない。韓国メディアによると、束草ではここ数日のホテルの予約数が、先週と比べて4倍に膨れ上がった。

 地元のレストランや商店は、ポケモンGOのユーザーに「特典」を用意するなど宣伝に躍起だ。ついには市長も応援に乗り出し、今後束草市は、市内の無料Wi-Fiを拡張し、ユーザーがゲームを中断しなくても済むようにスマホの充電基地も提供すると約束した。

【参考記事】米で大人気の「ポケモンGO」、ISISとの前線でプレイする猛者も登場

 一方で韓国政府は、ポケモンGOに必要な地図情報システムの利用を許可するか否かを決めかねている。政府高官は、外国企業に対して韓国の地図情報の利用を許可すれば、北朝鮮を刺激し両国間の緊張が更に高まる恐れがあると危惧するからだ。

「ソクチョ市にとって、韓国政府が利用を制限するゲームを大々的に奨励するのは難しい」と話したのは、ソクチョ市観光課のリー・セムンだ。「でも、ポケモンGOのおかげで、メディアが連日ソクチョの話題を取り上げ、ゲームの熱狂者が次々にソクチョを宣伝してくれている。市の観光を盛り上げるのにはまさに最強の助っ人だ」

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏10月銀行融資、企業向けは伸び横ばい 家計

ビジネス

成長型経済へ、26年度は物価上昇を適切に反映した予

ビジネス

次年度国債発行、30年債の優先減額求める声=財務省

ビジネス

韓国ネイバー傘下企業、国内最大の仮想通貨取引所を買
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中