最新記事

EU

「イギリスEU離脱なら、英語はEU公用語でなくなる」欧州議会幹部

2016年6月29日(水)19時09分

6月27日、欧州議会の幹部は、英国が欧州連合(EU)を離脱すれば、英語はEUの公用語ではなくなる可能性があるとの見方を示した。写真は英領ジブラルタルで撮影(2016年 ロイター/Jon Nazca)

 欧州議会の幹部は27日、英国が欧州連合(EU)を離脱すれば、英語はEUの公用語ではなくなる可能性があるとの見方を示した。

 EU各機関では主に英語が使用されているため、現実的には難しいとしても、象徴的なこの動きが実現すれば、欧州における英国の影響力が一段と低下し、アイルランド国民は憤慨するだろう。

 EU加盟国はそれぞれEU言語を1つ指定する権利がある。英語は欧州で最もよく話されており、3カ国において公用語であるにもかかわらず、正式には英国だけが英語をEU言語に指定し、アイルランドはゲール語、マルタはマルタ語を選択している。

 欧州議会憲法問題委員会のダヌタ・ヒューブナー委員長は、英国のEU離脱による法的な影響について「英国の申告に基づいて英語が公用語となっている。英国が抜けるならば、英語も同様だ」と記者会見で語った。

 ただ、公用語でなくなっても実際には使用する可能性があるとし、公用語であり続けるためには、全加盟国の同意が必要だと説明した。また、加盟国が2カ国語以上を選べるようルール変更することも考えられるとした。

 EUの文書や法的資料は公用語である24か国語に翻訳されるが、英語が公用語でなくなれば、英国人は自分で翻訳する必要がある。また、英語はEU特許を申請する際に用いる3言語に含まれており、英語圏の研究者や企業はその利点を享受してきた。

[ブリュッセル 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

メルツ独首相、ウクライナ大統領と電話会談 継続的な

ビジネス

3月実質消費支出、前年比+2.1%=総務省

ビジネス

3月実質賃金2.1%減、3カ月連続マイナス 名目も

ビジネス

米ビッグスリー、米英貿易協定を批判 「国内自動車産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 8
    日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブ…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中