最新記事

中朝関係

朝韓間の経済交流即時無効を北朝鮮が――中国新華社が速報

2016年3月11日(金)15時52分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

中国が「ならず者」「あの若い奴」として警戒する金正恩(3月9日、核開発の専門家を訪れて) KCNA-REUTERS

 3月10日午前10時40分、新華社からの速報が入った。北朝鮮と韓国のあらゆる経済交流協定がこの時点から完全に無効になると。中国は北朝鮮からの石炭輸入を3月1日から停止させた。中国政府とネットユーザーの声を拾ってみよう。

北朝鮮の報道官の発言を伝える新華社の速報

 3月10日午前10時40分、新華社からの速報が入った。見れば「北朝鮮と韓国の間のすべての経済協力協定は、ただいま即刻、完全に無効になる」という知らせだ。北朝鮮のメディアが伝えたのだという。朝鮮祖国統一和平委員会の報道官が伝えた、とだけしか書いていない。

 ただ、ここから分かるのは、中国政府にとって、いかに朝鮮半島問題が切実かという事実だ。

 動きを追わなければと思っているまもなく、その7分後の10時47分、中央テレビ局CCTVのネットにある「中央電視台新聞センター官報微博(ウェイボー、Weibo)」から、たくさんのネットユーザーのコメントが、筆者の携帯に飛びこんできた。(このページは、もしかしたらアクセスできないかもしれない。その節はお許しいただきたい。)

 時々刻々増えていくので、すべてをフォローはできないが(最初に入って来た時点と、本コラムの読者の方々がクリックなさる時点では、状況は異なっていると思うが)、以下のようなコメントが気になった。( )内は筆者。

●誰を脅しているつもりなんだい? 地縁があるからといって恥知らずにも強引に中国を道連れにして(1950年に金日成が強引に中国を朝鮮戦争に巻き込んだことを指す)、我が国の利益を侵害しておきながら、さらに恥知らずにもあれを打ちのめしてやる、これを発射してやると叫びまくる。穴だらけのボロボロの鉄で、何ができると思ってるんだい?(中略)朝鮮半島の長年の平和は、(朝鮮戦争のときの)中国人民志願軍の鮮血と命で得たものじゃないか!こんな奴に壊されてたまるか!このろくでなしは、一度、痛い目に遭わせてやらなきゃ!

●ならず者、国家!

●中国は、主人に咬みつく犬を養ってしまったようだ。

●(中国は)さっさと出兵して、この妖怪(悪党)をやっつけなきゃ。(中国東北の)吉林省が管轄すればいいんだよ。

●あいつ、なに様だ! 失うものがないから、怖いもの知らずなんだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、「中立金利」到達まで0.5%幅の利下げ必要

ワールド

米国版の半導体の集積拠点、台湾が「協力分野」で構想

ワールド

アフガン北部でM6.3の地震、20人死亡・数百人負

ワールド

米国防長官が板門店訪問、米韓同盟の強さ象徴と韓国国
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中