最新記事

アノニマス

ガボンの「儀式殺人」と戦うハッカー集団

人体の一部を手に入れると超自然的な力を得られると信じる政治家たちの暴虐を止めろ

2013年5月9日(木)15時27分
ジェブ・ブーン

義賊? ハッカー集団アニノマスがネット上でカボンを攻撃 Stefano Rellandini-Reuters

 アフリカ中西部の小国ガボンでは、人体の一部を手に入れると超自然的な力を得られると信じられている。そして、政治家や閣僚などが、人体の一部を得るための「儀式殺人」に関わっていると非難されている。

 そのガボンが、ハッカーからの攻撃を受けた。ガボンで横行している「儀式殺人」に抗議する地元活動家に、国際的なハッカー集団「アノニマス」が協力。ボンゴ大統領の個人サイトや、国防省などの政府系サイトを標的に攻撃を仕掛けたのだ。

「今年に入って20人が殺された」と、儀式殺人防止協会のジャンエルビス・エバング・オンド会長は言う。犠牲者の大半は少女で、唇や舌、性器などが切り取られているという。

 世界的にほとんど知られていないこの問題に光を当てるため、アノニマスは「儀式殺人」をツイッター上で大々的に攻撃。さらに声明を発表し、「2月にはカメルーンの男性が襲われ、臓器を切り取られた。次に子供3人の遺体が車で発見されたが、夜に解体される予定だったと思われる。3月には7歳の少女が殺されて眼球と唇を切り取られ血液を抜かれた」と指摘した。

 ガボンではこうした行為が40年にわたって横行してきた。だが最近の事件によって、国民の間で何ら対処しない政府に対する不満が高まっている。それでもジャーナリストのヘザー・マーシュは、「予定されていた抗議デモは延期され、揚げ句に禁止された」と言う。

 アノニマスのサイバー攻撃は、政府を動かすことができるか。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日銀の利上げ判断は尊重するが、景気の先行きには注視

ワールド

米中、タイ・カンボジア停戦へ取り組み進める ASE

ビジネス

日銀総裁、中立金利の推計値下限まで「少し距離ある」

ビジネス

英小売売上高、11月は前月比0.1%減 予算案控え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中