最新記事

朝鮮半島

韓国サイバー攻撃で北?が示した実力

中国経由で襲ってくる北朝鮮のサイバー部隊の強みは3万人の人海戦術

2013年4月2日(火)15時52分
ジル・ラングロワ、ジェフリー・ケイン

手も足も出ない 3月にサイバー攻撃を受けた韓国のテレビ局YTN Reuters

 放送局や銀行が先週、サイバー攻撃を受けた韓国で、警戒感が高まっている。今回のサイバー攻撃で最も疑われているのが北朝鮮だ。国連安保理の制裁強化決議を受けて北朝鮮は最近、韓国やアメリカを挑発する言動を繰り返している。

 攻撃自体は、アメリカの10代のハッカーでもできるような単純なものだ。しかし北朝鮮が犯人なら、かなりの成果を挙げたことになる。直後には合計3万台以上のパソコンが被害を受けたという。

 韓国政府の対策本部は、攻撃が中国のIPアドレスを経由していたと発表したが、すぐに誤認だったと取り消した。IPアドレスは簡単に操作できるため、発信元を偽装することが可能だ。

 それでも、「北朝鮮が中国を経由してハッカー攻撃を仕掛けることはよく知られている」と、米スタンフォード大学の研究者ティモシー・ジュニオは言う。「中国経由でしか彼らは韓国と接続できないからだ」

 北朝鮮のサイバー部隊は3万人の要員を抱えているともいわれている。今回の被害で、韓国側の防御態勢が追い付いていないことがすっかり露呈してしまった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-米連邦航空局、MD-11の運航禁止 UPS機

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中