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インドネシア

フェイスブックで逮捕された無神論者

イスラム教から儒教まで6つの宗教を公認している国だからこそ無神論は大きな脅威

2012年3月14日(水)17時38分
タリア・ラルフ

アアンがSNSに開設した「ミナンの無神論者」

 インドネシアで「無神論者」であることを公言するのは自殺行為らしい。ある男性がSNSのフェイスブックに「神は存在しない」と書き込んだところ、怒った人々に襲撃されたばかりか、警察に逮捕された。

 インドネシアでは、イスラム教、プロテスタント、カトリック、ヒンドゥー教、仏教、儒教の6つの教えが公認されているが、無神論は違法。人口2億4000万人のうち、圧倒的多数を占めるのがイスラム教徒だ。

 男性は31歳のアレクサンデル・アアンで、スマトラ島西部にあるダルマスラヤ県の開発計画局に勤務。アアンはフェースブックに「ミナンの無神論者」という「ファンページ」を開設し、1700人以上から「いいね!」という評価を受けていた。

 1月中旬、アアンの書き込みを見て怒った群衆が彼の勤務先を襲撃。警察は、宗教を冒とくした容疑でアアンを逮捕した。「(アアンは)書き込みは自身の信念に基づいたもので、職を失う覚悟でやったと言っている」と、地元の警察署長は語った。

 アアンの上司アディ・グナワンは判決を見て、解雇するかどうかを決めるという。「本人には、この国では君の主張は認められないと言って聞かせた」

[2012年2月 8日号掲載]

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