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未来のヒトはどんな顔に? 5万年後の姿を科学的に予測

LOOK OF THE FUTURE

2025年2月14日(金)17時31分
アリストス・ジョージャウ(サイエンス担当)

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今はまだ遺伝子編集がもたらす結果についての理解が足りていない GORODENKOFF/ISTOCK

「もちろん、真に劇的な変化にはもっと長い時間がかかる。この先の何百万年かで人間に翼が生えることはないし、えらができることもあるまい。そもそも解剖学的に見れば、私たちは5万年前から大して変わっていないのだから」

一方、英アングリア・ラスキン大学の人類学者で進化遺伝学者のジェイソン・ホジソンに言わせると、5万年というのは人類にとって「途方もなく長い時間」だ。

人間の1世代を約30年とすれば、5万年の間には(遺伝による)進化のチャンスが1667回もある。ちなみに「肌の色や身長、髪の色といった外見上の変化の大半は過去1万年の間に起きている」そうだ。


「混合」で均質化が進む

ホジソンによれば、少なくとも見た目の違いという点に関して言えば、もっと近い将来に私たちは今よりも均質化し、今ほど明確な区別がなくなる可能性がある。

「現時点では、人間にも地理的な要因によって見た目の違いが認められる。アフリカの人は肌が黒く、北欧の人は肌が白い。アフリカの狩猟採集民族ピグミーは背が低く、オランダの人は背が高いといった具合だ。これは同類交配の結果と言える」

実際、人は昔から自分と同じような人たちと一緒に暮らし、同じような人を繁殖のパートナーに選んできた。

しかし近代以降は「地理的に遠く離れた集団間での交配、つまり混合が増えており、結果として今の人類は今まで以上に均質化が進んでいる」とホジソンは言う。

「例えばプードルとロットワイラー、チワワとセントバーナードを一つの島に放って無作為に交配させれば、わずか数世代で全ての犬が茶色の中型犬になり得る。それと同じだ」

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