「株主至上主義」を問い直す 企業を測る新基準「Bコープ」が日本でも広がる理由
Certified and Connected
長く使い続けられる洗剤や雑貨、アパレルを展開するTHE(東京)もBコープ認証を取得 COURTESY OF B MARKET BUILDER JAPAN
<米NPOが運営する国際認証「Bコープ」が世界で広がっている。企業の公益性を多角的に評価するこの制度は、単なる認証にとどまらず、新たな企業間ネットワークの形成にもつながりつつある>
公益性の高い企業に与えられる国際認証「Bコープ(B Corp)」は、苦い経験から生まれた。
ストリートバスケの米ファッションブランド「AND1」の創業者、ジェイ・コーエン・ギルバートとバート・ホウラハンらは社会的責任を重んじていたが、事業が買収された後、会社は豹変する。地元に寄付していた利益の5%は、新たな株主から「寄付先は私だ」と告げられた。
「株主至上主義」を変えなければならない。彼らは2006年に非営利組織Bラボを設立し、翌年に最初の認証企業82社が誕生した。
Bコープの最大の特徴は、商品やブランドではなく、会社全体を、ガバナンス・労働環境・地球環境といった包括的視点で審査する点にある。現在、世界104カ国で1万600社超が認証を取得。
日本でも工芸品メーカーの中川政七商店やコンサルティング会社シグマクシスといった有名企業から、家族経営の中小企業、スタートアップまで広がりを見せており、間もなく100社に届く。
注目すべきは、認証が「名刺に刷るロゴ」で終わらず、企業同士の新たな経済圏を形成しつつあることだ。
海外ではサプライヤーの選定段階で、まずBコープの企業リストから当たるケースが増えており、日本企業は認証を武器に海外の展示会に出展するなど、市場開拓に力を入れ始めている。共にBコープ認証を持つファッションブランド、日本のCFCLとフランスのVEJAが再生ポリエステルを使ったスニーカーを共同開発したのは象徴的な事例の1つだ。






