「多世代・多主体」が織りなす地方創生モデル──「沿線まるごとホテル」プロジェクトの現場・奥多摩を訪ねて
視察にはニューズウィーク日本版のSDGsパートナー企業である研文社、タミヤホーム、ベネッセコーポレーション、三本珈琲のSDGs担当者らが参加。写真はSatologueのレストラン「時帰路(TOKIRO)」の大きな窓越しに多摩川の清流を眺める一行(10月28日) YUMI FUNAKOSHIーNEWSWEEK JAPAN
<過疎化が進む鉄道路線の沿線一帯をまるごとホテルに見立て、地域課題をむしろ付加価値にして新たなツーリズムを提供しようという試み。前例のない取り組みはいかにして具現化されてきたのか。その成り立ち、担い手の尽力を知るべく、第2回SDGsアワード「最優秀賞」受賞プロジェクトの現場を訪ねた>
過疎・高齢化で利用者が減少するJR青梅線(青梅駅から奥多摩駅までの区間)の沿線地域一帯を一つのホテルに見立て、無人駅をその「フロント」、空き家を「客室」として活用し、地域住民が「コンシェルジュ」となって、新たなツーリズム体験を提供する。利用者を増やすことで鉄道インフラを維持し、持続可能な地域をつくる──。
沿線まるごと株式会社が取り組む「沿線まるごとホテル」プロジェクトは、地域課題を付加価値に転換することで経済活性化を図る地方創生モデルとして注目を集めている。本誌が主催する「ニューズウィーク日本版SDGsアワード」でも、第2回(2024年度)に「最優秀賞」と「地域課題部門賞」を受賞した。
10月28日、編集部はこのプロジェクトを現地で視察する機会を得た。この日は、SDGsアワードをきっかけに同社の取り組みに関心を寄せた複数のパートナー企業の担当者も同行。本記事では、その様子を紹介する。
■「沿線まるごとホテル」プロジェクトの詳細はこちら
改札を出たら全部がホテル──無人駅チェックインを体験
14時36分、鳩ノ巣駅(奥多摩町)に到着した一行を沿線まるごと取締役・会田均さんらとともに迎えたのは、ホテルの案内人の一人である大野邦雄さん(73)。この地で生まれ育ち、今も町内で暮らす正真正銘の地域住民だ。

長年東京消防庁に勤務し、山岳救助の指導員も務めてきたという大野さん。同プロジェクトの中核施設である「Satologue(さとローグ)」への案内役であると同時に、森林セラピーガイドとして奥多摩の自然の魅力を訪れた人々に伝える活動もしている。
そんな大野さんに、切符の代わりに「沿線パスポート」に鋏(はさみ)を入れてもらえばチェックインは完了。

なお、駅舎に併設された「沿線まるごとラボ」は地域住民の憩いの場になっていると同時に、沿線まるごとの本社でもある。「無人駅に本社登記をしている会社は日本でも弊社だけだと思います」と会田さんは話す。
駅では、環境にやさしい新型モビリティの電動トゥクトゥクや電動アシスト自転車のレンタルサービスが展開されている。公共交通では巡ることの難しい見所を手軽に周遊できるだけでなく、四季折々で違った顔を見せる奥多摩で「移動そのもの」を楽しむのにもぴったりな手段だ。視察参加者も試乗し、その乗り心地を体験した。

地域そのものを体験できる空間
その後、大野さんの運転でSatologueへと移動。楽しい地域紹介を聞きながら流れる景色を眺めていると、ほどなくして宿に到着する。
築130年の古民家を改修した当施設は、今年5月に宿泊棟(2名×4室)が開業。すでに多くの予約を獲得しており、なかにはリピーターもいるようだ。外国人旅行者からの予約も増えているという。多摩川に面した斜面に佇む建物は集落の風景に溶け込んでおり、宿泊者は滞在中、村人になった気分で過ごすことができる。
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