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お酒の飲みすぎが認知症を早める? 脳で起こる驚きの共通変化

A Trigger for Alzheimer’s

2025年11月9日(日)10時00分
ショーン・デューク(科学・ヘルス担当)
アルコール依存とアルツハイマー病、脳で似た遺伝子変化を共有していた engin akyurt-Unsplash

アルコール依存とアルツハイマー病、脳で似た遺伝子変化を共有していた engin akyurt-Unsplash

<どちらも脳内でよく似た遺伝子の変化を引き起こすことが判明>


▼目次
AUD患者とアルツハイマー病患者の共通点とは?

学術誌eNeuroに発表された新たな研究論文で、アルコール使用障害(AUD、アルコール乱用・依存症などの総称)の人はアルツハイマー病の発症と進行が早まることが明らかになった。

アルツハイマー病の発症につながる最も重要な因子は年齢と遺伝子だと、専門家は言う。だが、過剰な飲酒を含む生活習慣も発症や進行を早める要因になり得るという証拠が明らかになりつつある。

論文を発表したスクリップス研究所(米フロリダ州)のピエトロ・パオロ・サンナ教授(免疫学・微生物学)は本誌にこう語った。「私たちはアルツハイマー病とアルコールの両方で調節異常を起こす複数の細胞型特異的遺伝子と経路を発見した。これはAUDがアルツハイマー病の影響を受けるのと同じ分子メカニズムに干渉し、症状の進行を早める可能性があるという仮説を支持するものだ」

研究チームは初期・中期・進行期のアルツハイマー病患者75人と、同疾患のない患者10人から採取した脳細胞の遺伝情報を解析。AUD患者の脳に関する先行研究と比較した。「アルコールとアルツハイマー病は共通の生物学的プロセスに影響すると考えられる」と、サンナは言う。

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