最新記事
アート

アメリカに初めて「ゴッホの絵画」を輸入した男...2500点の名画を集めた大富豪バーンズの知られざる「爆買い人生」

SHOPPING FOR A MUSEUM

2025年4月17日(木)15時00分
ブレイク・ゴプニック(美術評論家)
ゴッホ『郵便配達人ジョセフ・ルーラン』

グラッケンズが買い付けた『郵便配達人ジョセフ・ルーラン』は、アメリカに初めて渡ったゴッホ作品 THE BARNES FOUNDATION

<ゴッホ、ルノワールからマティス、ピカソまで。世界屈指の美術コレクション「バーンズ・コレクション」はどのようにして誕生したのか?>

ルノワールやセザンヌ、マティス、ピカソなど印象派と初期モダニズムの傑作を大量に所蔵することで知られるバーンズ・コレクション。

20世紀前半のアメリカの実業家アルバート・バーンズ(Albert C. Barnes)が収集した世界屈指のコレクションだが、1951年にバーンズが自動車事故で死去すると、作品を管理してきたバーンズ財団は運営に窮することになった。


なにしろ偏屈で知られたバーンズは、どこにどの作品を貸し出せるか、その期間はどのくらいか、さらにはスタッフの給与まで、実に細かなルールを定めていた。

そのせいもあって、郊外での運営が難しくなった財団は、2012年にフィラデルフィア中心部へと移転。世界各地の美術館への貸し出しも開始した。

美術評論家のブレイク・ゴプニック(Blake Gopnik)は、新著『唯一無二の美術館 アルバート・バーンズとアメリカンドリーム(The Maverick’s Museum: Albert Barnes and His American Dream)』(エッコ社刊)で、バーンズとコレクションのことを生き生きと描いている。

このうち、バーンズが美術品の収集を開始して、初めてアメリカにゴッホがもたらされたときを描いた部分を紹介する。

◇ ◇ ◇


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン有力国会議員、反撃手段としてホルムズ海峡封鎖

ビジネス

日経平均は小幅続落で寄り付く、中東情勢の警戒が継続

ワールド

NATOの国防費5%目標、スペインが除外要請 サミ

ビジネス

OPECプラスは原油の増産を進めるべき=ロシア副首
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 10
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中