最新記事
ハリー・ポッター

論争を経て再評価へ? ハリー・ポッターの作者 J・K・ローリングと『文化戦争』の行方

Has J.K. Rowling Won the Culture War?

2025年1月16日(木)18時57分
ライアン・スミス(本誌エンターテインメント担当)

映画キャストからも批判

映画「ハリー・ポッター」シリーズの主要キャストであるダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント、それに「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主演俳優エディ・レッドメインもローリングの発言を公の場で非難した。

ラドクリフは20年、性的少数者の若者の自殺防止活動を行っている団体に寄せた文章で「トランス女性は女性だ。それとは反対の(彼女らは女性でないとする)いかなる言葉も、トランスジェンダーの人々のアイデンティティーと尊厳を大きく傷つけるものだ」と述べている。

22年、ローリングは主要キャストが参加する映画版ハリー・ポッター20周年記念番組への出演オファーを断った。


そして今、WBDは業績不振に陥っており、ドラマ版ハリー・ポッターに起死回生の魔法を期待している。

WBDは24年の4~6月期に100億ドル近い赤字を出したほか、負債額も400億ドル近くに上る。そこで同社では既存の人気シリーズを活用して収益性を最大限に上げ、ファンを引き付けようという戦略を立てている。26年に放送開始予定のドラマ版ハリー・ポッターは、その目玉なのだ。

つまりWBDがローリング擁護に転じたのは、原作者の制作参加がドラマにもたらすプラスの効果のほうが、世間の反発のリスクを上回ったということにほかならない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナへのトマホーク供与検討「して

ビジネス

バークシャー、手元資金が過去最高 12四半期連続で

ビジネス

米、高金利で住宅不況も FRBは利下げ加速を=財務

ワールド

OPECプラス有志国、1─3月に増産停止へ 供給過
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中