最新記事
ファッション

「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

2024年4月17日(水)18時45分
千歳香奈子
ジュリア・フォックス

エルトン・ジョンAIDS基金によるアカデミー賞授賞式ビューイングパーティーに参加したジュリア・フォックス(2024年3月10日、ロサンゼルス) Alisha Jucevic-REUTERS

<たくし上げたスカートからのぞく「Closed(閉じた、塞ぐ)」の文字。ジュリア・フォックスが新たに披露したビキニ姿が女性器切除(FGM)を想起させるとし、「不快」「非常識」と炎上している>

お騒がせラッパー、カニエ・ウエストの元恋人で、女優、モデルとして活躍するジュリア・フォックスが、乳首と体毛がプリントされたブラと膣の入り口が縫い合わされたようなデザインの女性器を模したビキニ姿を披露し、「不快」「非常識」と炎上している。

【画像】ジュリア・フォックス「毛むくじゃら乳首ブラ」と「縫った女性器パンツ」姿で大炎上

過激すぎるファッションが度々物議を醸すジュリアは、4月11日に米ロサンゼルスで白いドレスに黒いジャケットを羽織り、左側の上半身を露出してブラをチラ見せする姿がパパラッチされた。さらにたくし上げたスカートからは、「Closed(閉じた、塞ぐ)」の文字と精巧な毛も描かれた女性器を連想させるボトムものぞかせていた。

女性器切除(FGM)を想起させると批判殺到

大胆かつ過激な露出で注目を集めるカニエの妻ビアンカ・センソリに対抗?との声もあるが、アフリカや中東、アジアの一部の国々で行われている女性の性器を切除する慣習を彷彿させると抗議が殺到。

限界を超えたファッションは、女性器切除(FGM)中でも小陰唇の一部または全部を切除して膣の入り口を縫い合わせる女性への影響が最も大きいとされる「タイプ3」に酷似しているとの指摘が相次ぎ、撲滅を訴える活動家や被害を受けた女性らを激怒させている。

ユニセフ(国連児童基金)によるとFGMサバイバーは世界で2億3000人以上いるといい、ネットには「本当にうんざりで、とても悔しい」「慣習を美化している」「痛みを知らないから、コスチュームとして着られる」など、生存者が抱える傷跡への配慮のなさに失望や怒りの声が寄せられている。

ロンドン在住の作家で活動家のヒボ・ワーダーも、X(旧ツイッター)で「私たちのトラウマを描いた下着姿を見た時、信じられない思いだった。言葉を失った」と投稿。これまでで最も過激な"ほぼ裸"ルックは、「冗談でもあり得ない」「ファッションではない」「子どもを持つ母親として恥ずべき」と世界中に衝撃を与えている。

元セックスワーカーでクリエーターでもあるジュリアが、「無知すぎる」と非難されるビキニを着用した意図は不明だが、昨年2月に「男性とのセックスはもう終わり」とファッション誌ELLEのインタビューで語っており、自身の性行為に関するメッセージの可能性も指摘されている。

ちなみに、2022年初めに短期間交際していたカニエとは、肉体関係はなかったと明かしている。

[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身も認める「大きな胸」解放にファン歓喜 哺乳瓶で際どいショットも
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中