最新記事
音楽

世界でもヒット、話題の『アイドル』をYOASOBIが語る

2023年12月1日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
YOASOBI

YOASOBI コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraからなるユニット。Ayase は1994年、山口県出身。ikuraは2000年、東京都出身。第71、72回NHK紅白歌合戦に2年連続で出場。23年、TikTok LIVEでも視聴者数の国内最高記録を打ち立てた。 Photos by Takao Iwasawa(The VOICE MANAGEMENT), Styling by Shona Funahashi , Hair & make-up by Nari

<名曲を連発し、瞬く間に日本を代表するアーティストとなったYOASOBI。今年も「アイドル」が世界的なヒットを記録し、レコード大賞の優秀作品賞に選ばれなかったことをめぐっては選考基準を疑う声が続出するほど。時代に刺さる音楽はどう生まれてくるのか──>

「『アイドル』がノミネートされていない!」──11月22日に今年のレコード大賞の大賞候補が発表されると、YOASOBIの大ヒット曲「アイドル」がノミネートされていないことに対し、ネットで疑問と怒りの声が噴出した。

それぐらい、今年のYOASOBIはすごかった。

「アイドル」は国内ビルボードチャートで前人未到の21週連続1位を達成。TVアニメ「【推しの子】」の主題歌として、日本のみならず欧米でも大ヒットしている。6月には米ビルボードのグローバルチャートでも首位を獲得した。

nwyoasobi_idol2.jpg

「アイドル」(2023年) TVアニメ「【推しの子】」の原作者のひとりである赤坂アカが書き下ろした小説『45510』が原作。「お星様の引き立て役B」こと別メンバーのアイに対する愛憎入り混じった感情が、ボーカルの抑揚と楽曲の目まぐるしい展開によって見事に表現されている © Sony Music Entertainment (Japan) Inc. Japan) Inc. © 赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

2020年にBTSの楽曲「Dynamite」が米ビルボード・シングルチャートで1位に輝いたことは記憶に新しい。

BTSやBLACKPINK、昨年デビューしたばかりのNewJeansなど、隣国のアーティストたちが洋の東西を問わず人々を魅了しているが、日本からも世界を視野に入れる才能が生まれてきた。いま、その新生Jポップの中心にいるのは間違いなくYOASOBIだろう。

YOASOBIはコンポーザーのAyaseとボーカルのikuraからなる音楽ユニットだ。「小説を音楽にする」プロジェクトとして、2019年にデビューした。「夜に駆ける」「群青」「アイドル」──時代精神を鮮烈に表現した名曲を立て続けに発表し、一躍日本を代表するアーティストに躍り出た2人が、このたび発表された「Penクリエイター・アワード2023」を受賞した。

11月28日発売のPen誌2024年1月号「クリエイター・アワード」特集では、代表曲「夜に駆ける」と「アイドル」を起点とした楽曲制作のアプローチと、2人が「この時代に対して感じていること」が語られている。

「アイドル」にみる2人の化学反応

彼らのデビュー作にして出世作でもある「夜に駆ける」の歌詞は、強烈にダークながら現代人の心情を鋭く捉えた小説『タナトスの誘惑』をもとに書き下ろされている。その歌詞やビルの屋上から飛び降りるミュージックビデオの描写をめぐり、ネット上には考察記事が溢れたが、Ayaseは「別に暗いものをつくろうとしたわけではありません」と話す。

「個人的に、『いつかは終わるけどね』という厭世観にグッとくるんですよね。未来永劫美しいものではなく、リミットがあって儚いものだからこそ、大切にしたい。生と死に関しても、ふたつを切り離せるわけではなく、隣同士にあるのが当たり前なんじゃないかと」(Pen誌2024年1月号より)

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-ゼレンスキー氏、和平案巡り国民投票実施の用意

ワールド

イスラエル、ソマリランドを初の独立国家として正式承

ワールド

ベネズエラ、大統領選の抗議活動後に拘束の99人釈放

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中