最新記事

日本生まれのインスタントラーメン、韓国で育ち過激な味に 里帰りでブーム呼ぶか?

2019年2月23日(土)10時15分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

ジャージャー麺ミックスから、牡蠣入り、あずき入りまで


韓国芸能界の大御所テ・ジナが作りネットで話題を集めた「牛乳コーララーメン」。 SBS Catch / YouTube

こうした消費者の味覚が多様化してきていることに合わせ、最近カップラーメンも様々な種類が発売されるようになった。以前は、日本でもおなじみの赤いパッケージに「辛」の字が印象的な辛ラーメンのように、とにかく赤くて辛いスープ味だらけだった。

ところが、最近になって赤くも辛くもないさまざまな味のインスタントラーメンが続々と登場している。韓国でインスタントラーメン市場シェア2位(24%)を占めるオットゥギ社からはわかめラーメン、牡蠣入りチャンポン、あずき麺。プルムウォン社からは豚骨ラーメン味などなど......。コンビニエンスストアやスーパーに行けばこうしたニューフェイスたちが、定番の辛いラーメンとともに並ぶようになった。また、健康志向を受けて、オーガニックインスタントラーメンやノンフライの辛ラーメンなども発売されている。

テレビのバラエティ番組が独自のカスタムラーメンを紹介して、視聴者が試食したことでヒットしたこともある。人気育児番組「パパ、どこ行くの?」で、インスタントラーメン×インスタントジャージャー麺を混ぜ合わせて作った「ジャパグリ」が話題となったり、バラエティー番組「醜い私たちの子」にて、演歌歌手テ・ジナが披露した「牛乳コーララーメン」がSNSで注目され、実際に作ったという強者たちが写真や感想などをアップし話題を呼んだこともある。

日本市場への参入も

さて、韓国グルメと言えばここ数年日本でも「チーズタッカルビ」「チーズハットグ」「ピンス(韓国風かき氷)」など人気を博している。韓国のインスタントラーメンもこの勢いを受けて日本でブームを巻き起こすことができるだろうか。今年1月29日韓国の大手食品会社三養食品が三養ジャパンの設立を発表した。三養食品は、韓国のインスタントラーメン市場で12.9%を占める第3位の会社だ。ちなみに1位は過半数を占める54%の農心で、すでに2002年に農心ジャパンを設立、進出済みである。

View this post on Instagram

[EVENT] ☆제 1회 불닭라볶이 꿀조합 먹방샷 콘테스트개최☆ 이름하야, 불.라.방 콘테스트! ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ 당신만의 불닭라볶이 꿀조합을 해시태그'#불닭라볶이 #불라방' 와 함께 인증샷으로 남겨주세요! ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ 베스트 꿀조합으로 선정되신 50분께 불닭라볶이 세트를 선물로 드립니다. ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ■ 참여방법 ① 삼양 인스타그램 팔로우♥ ② 나만의 불닭라볶이 꿀조합 먹방 사진찍기! ③ 해시태그 '#불닭라볶이 #불라방'과 함께 인증샷 올리기! ④ 게시물에 참여완료 댓글 달기! ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ■ 이벤트 기간: 2.22 ~ 3.10 ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ■ 이벤트 상품: 불닭라볶이 세트 (50명) ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ■ 당첨자 DM발표 ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ #불닭라볶이 #불라방

A post shared by 삼양식품 (@samyangfoods) on

三養食品「ブルダック炒め麺」のインスタグラムキャンペーン


三養食品のラーメンといえば、2017年に「ブルダック炒め麺」が大ヒットとなった。辛さに慣れた韓国人ですら辛いと感じるほど激辛の汁なし炒め麺で、チーズ入りやカルボナーラ風味、2倍や4倍の辛さなど、種類も豊富に発売されている。日本でもじわじわと人気が出てきたのは、YOU TUBEなどで多くのユーチューバーが「〜してみた」シリーズにて辛さチャレンジをした動画が多く上がったからだともいわれている。

かつて、韓国に日本のラーメン屋が登場した時、ここでしか食べることができない味を求め行列ができた。そもそも、せっかちな国民性を持つ韓国人が何十分も行列を作る姿を見た時、まるで日本の街角にいるかのような感覚を覚えた。時が過ぎ、今では韓国グルメを求める日本人が日本の街角で何時間も並んでいる。日本発祥のインスタントラーメンが、韓国を経由し逆輸入されて新たな流行を作ることはできるだろうか? 激辛炒め麺のヒットに続く商品を三養食品に期待したい。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反発、一時5万1000円回復 AI

ワールド

豪貿易黒字、9月は25.6億米ドルに拡大 金輸出が

ワールド

アングル:米民主、重要選挙「全勝」で党勢回復に弾み

ワールド

マクロスコープ:高市「会議」にリフレ派続々、財務省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中