最新記事

キャリア

篠原ともえ、夫婦で起業し40代でデザイナーへ転身 持続可能なものづくり掲げ国際的広告賞で2冠

2022年7月30日(土)11時50分
池田鉄平(ライター・編集者) *東洋経済オンラインからの転載
篠原ともえ

デザイナーとして国際的な広告賞を受賞した篠原ともえ Photography: Sayuki Inoue ©︎TANNERS’ COUNCIL OF JAPAN

「今年でデビューしてから27年という月日が経つのですが、デザインの分野でもこれまでの経験や価値観を生かせているという気持ちがあります」

そう語る篠原ともえは、デザイナーとして国際的な広告賞である『第101回ニューヨークADC賞』で2冠を受賞した。

1990年代、篠原ともえは天真爛漫なキャラクターと目を引くファッションが若い女性に支持され、"シノラー"の愛称で社会現象を巻き起こしていた。

そのような一大ブームをかつて築きながら、歌手、デザイナー、そして40代からの会社経営とキャリアチェンジをしても活躍を続ける篠原ともえ。彼女に、これまでのキャリアを振り返りながら、人生の分岐点となる活躍の背景にあった物語を語ってもらった。

歌や舞台など表現者からデザイナーへ転向

篠原ともえは1995年、16歳のときに歌手デビューし、歌や舞台などで表現を軸に活動していた。同時に高校もデザイン専攻で、短大では服飾、デザインについて専門的に学んでいた。20歳のときに自分が出演する舞台の衣装を作ったことがキッカケで、少しずつ衣装デザインの仕事も始まった。

「私の根本は表現者なので、自分がデザインを担当するならどういったものが自分らしいのかを当時から積極的にディスカッションしていました。時間があればデザイン画も描き、アイデアを蓄積させて、プレゼンテーションをしたり。それが採用になったとき自分の価値が認められたような感覚があり、うれしかったですね」

他のデザイナーとは違う、感性やアイデアを武器に活動していると、ユーミン(松任谷由実)や、嵐のコンサート衣装制作を担当するまでに成長していく。30代後半になるとデザインの仕事が増え、コラボレーションの話がメインとなる。

しかし、芸能事務所に所属しながらデザインのブラッシュアップをしていくのは大変な作業だった。自分でデザインソフトIllustratorとPhotoshopを使ってプレゼン資料を作るなどし、芸能の仕事の合間に図書館へ行ったりもしていた。

「もっとデザインの仕事に時間をかけたい」という気持ちもあったが、メディアの活動にも誇りをもっていて、辞めるという決断ができなかった。

そんな葛藤していた篠原ともえに、人生の分岐点となる出会いが巡ってきた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、台湾への武器売却を承認 ハイマースなど過去最大

ビジネス

来年のIPO拡大へ、10億ドル以上の案件が堅調=米

ビジネス

英中銀、5対4の僅差で0.25%利下げ決定 今後の

ビジネス

ノバルティスとロシュ、トランプ政権の薬価引き下げに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中