誰もが「ドル口座」を持てる時代に?...ステーブルコインが進める「静かな通貨革命」とは
Stablecoins Are Driving Global Dollarization, for Better or Worse
問題は、政府が景気後退期に経済をリセットして再び成長軌道に乗せる上で、為替レートが重要な手段になってきたということだ。
為替を自国通貨安に誘導すれば、自国通貨ベースでの賃金水準を下げずに、輸出産業の競争力を高められる。ドル化が進むと、このような政策を選択できなくなる可能性がある。
世界金融危機の際のギリシャが参考になる。ギリシャはユーロ加盟国なので、政府が独自に為替レートを調整することはできなかった。その結果、ギリシャでは経済の規模が25%以上縮小し、実質賃金は推定で30%近く減少した。失業率も最大28%まで跳ね上がった。
ドル化は、これまで自国通貨の壁に守られてきた金融機関のビジネスにもリスクをもたらす。人々がどの国のどのステーブルコインでも自由に選べる時代には、金融機関にとって顧客資産の争奪戦がグローバル規模に拡大し、これまでになく熾烈になる。
米ドルは、今も交換可能通貨として突出した存在だ。ステーブルコインの99%はドルに連動している。世界の人々は、自国の政府や中央銀行を信用できなければ資産を容易にドル化できる。
中央銀行のガバナンスが最低基準に満たない国に住む人は33億人に達するとの調査結果もある。





