最新記事
米経済

失業率と物価の「両方が上昇する」リスク警告、FRBパウエル議長...トランプ関税「予想より大きい」

2025年4月5日(土)11時35分

「ハードデータとソフトデータ間にある緊張を注視している。(政権の)新たな政策と起こり得る影響が明確になるにつれて、経済や金融政策への影響についても把握できるようになるだろう」とした。

<FRB見通しに景気後退含まれず、不確実性は高い>

パウエル氏は、FRBの見通しに景気後退の予測は含まれていないと言及。一方、民間部門では景気後退入りの予測が出ており、トランプ政権が発表した新たな関税措置受け、その可能性が引き上げられていると指摘。ただ、引き上げられているとは言え、極めて低い水準からの引き上げになると語った。

関税については「ほぼ全ての予想を上回った」とし、状況がどう展開するか現時点ではわからないとの認識を示した。

経済と政府政策を巡る不確実性を背景に、企業は様子見姿勢を取っているとも指摘。「人々は事態が明確になるのを待っている」とし、不確実性は最終的には解消するとの見方を示しながらも、現時点で慎重になることは「正しいことのように思える」と語った。

こうした中でも、FRBが担う物価安定と雇用最大化の2つの責務の間に矛盾はないと言及。インフレ率を目標とする2%に引き下げながら、労働市場の力強さを維持するということに「緊張関係はない」とし、「1970年代のように2つの責務が反対方向に向かっているような状況にはない」と述べた。

問題が生じれば難しい舵取りを迫られるとしながらも、「現在はそうした状況に置かれていない」と語った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中