最新記事

ビジネス

「何でも他人の責任」な人より、責任感の強い「優秀な人」の方が大きな失敗をする事実

2022年12月24日(土)08時53分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ハーバード大学経営大学院(ビジネススクール)のアリソン・ウッド・ブルックス、ライアン・W・ビュエル、ブライアン・ホール、ローラ・ファンらは、「悪い妬みを和らげる──なぜ成功者は失敗をさらけ出すべきなのか」という研究報告書を発表した。この研究によると、失敗について話し合うことで、その人の人間味が増すという。なるほど!

僕が「しまった、失敗しちゃった」と言ったら、ごく普通の、ウソのない共感できる人物に見えるだろう。そうしたら、何が起こると思う? 互いの失敗に共感し合えたら、人間関係がよくなるのだ。ほかに何が起こるかわかるだろうか? ここが面白いところだ。実は、他人が抱く「良い妬み」が増すのだ。

良い妬みって? 他人をうらやましいと思う、悪意のない気持ちのことだ。それは「悪い妬み」とは対極にある。良い妬みは人をやる気にさせ、みんながあなたをお手本として見るようになる。良い妬みはよい形で人から人へと広がって、みんなに成績を上げる意欲を与える。

だから、次に失敗して隠したいと思ったら、「そんなの誰の役にも立たない」と思い出してほしい。失敗を共有し、素直に認め、ほかの人たちを巻き込もう。そうすれば、周りもあなたに共感し、ますます成長するから。

悪いのは自分じゃなくて環境かも

自虐的な映像を思い描くのが問題なのは、自分がそれを信じてしまうことだ。皮肉なことに、僕らは頭がキレるからこそ、自分で自分をたたきのめしてしまいかねない。

これがどんなに危険なことかを伝えるために、2013年のある調査を紹介したいと思う。オランダのユトレヒト大学のアヌク・カイザー率いる研究者チームによる「太りすぎてドアを通れない」という調査だ。

研究者たちは、拒食症の女性たちと拒食症ではない女性たちがドアを通り抜けるところを観察した。身体に注意が向かないよう、簡単な作業をしてもらいながら、ドアを通り抜けてもらった。何が起こったと思う?

拒食症の患者は、そうではないグループよりも、肩の向きを変えて身体を斜めに縮めて通り抜けることがずっと多かった。通り抜ける十分なスペースがあるのに、「太りすぎだから通れない」と思っているのだ。

「あなたは拒食症だ」と言いたいのかって? 「摂食障害がある」とか「心を病んでいる」 とか言っているのかって? 違う。これはたとえ話だ。自分自身に抱いているイメージが、 バカバカしい形で行動に映し出されている可能性がある──そう言いたいのだ。とくに、僕のように自分に厳しい人なら。

あなたは今、どんなドアを必死で通り抜けようとしている? そこは......こっそり教えよう。実はあなたは、そのドアを余裕で通り抜けられる人材なのだ。おそらく、あなたが問題なんじゃない。

では、環境はどうだろう? 「抱えている課題」と「自分自身」をごっちゃにしていないだろうか? 環境のせいで、「何もかも自分が悪い」と思い込まされているのではないだろうか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU、エネ価格高騰で一時的措置検討へ 減税など視野

ビジネス

今年の財貿易伸び1.9%に鈍化、WTO予想 イラン

ビジネス

EUのエネルギー高騰対策、一時的かつ的絞るべき=E

ビジネス

中国レアアース磁石輸出、1─2月は前年比8.2%増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中