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中国経済「信頼の危機」が投資家の不安をあおる

2016年1月28日(木)16時00分
アフシン・モラビ(本誌コラムニスト)

 2つ目は、指導者に対する信頼の危機だ。ある投資家は、「数字が信頼できるかどうか以上の問題だ」と語る。「この不安定な時代に、現在の最上層部に中国経済の舵を取る能力が、本当にあるのだろうか」。

 例えば、昨年8月11日に中国は人民元の2%切り下げを決定。その翌日には相場を下支えするとして、ドルを大量に売った。そのちぐはぐな対応に、不安を感じた投資家も少なくない。

 3つ目の不安は、増え続ける債務だ。国の債務残高はGDP比で約260%、企業債務は約160%。これだけ借金を抱えていると、普通の経済という看板を維持し切れないとみられる。

 債務が膨らむにつれて、市場は中国に「審判の日」が近づいていると確信するようになったと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は書いている。

 この30年、中国の終焉を予言した多くの専門家が失笑を買ってきた。しかし今、強力なはずの中国経済の基盤は亀裂だらけだと、数字が明確に示している。中国の政策決定者は亀裂を埋めることができるのか。それともさらに広げるのだろうか。

[2016年2月 2日号掲載]

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