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マードックiPad新聞の怪しい勝算

2010年12月8日(水)14時54分
井口景子(本誌記者)

各国の新聞社を買収してきたメディア王のルパート・マードックと、アップルCEOのスティーブ・ジョブズというコワモテ経営者2人がタッグを組んだ。殴り込み先はデジタルメディア界。武器はiPadだ。

マードック率いるニューズ・コーポレーションがiPad専用のデジタル新聞「ザ・デイリー」を来年にも創刊する。月額4・25ドルと格安で、毎朝自動的にダウンロードされる。専任の記者100人が記事を書く。

 有料アプリが多いiPadはデジタルコンテンツの有料化を加速させる切り札だというのがマードックの読み。アップルも、デジタル新聞がiTunesの音楽配信に続く売れ筋コンテンツになるのを期待している。リチャード・ブランソン率いるヴァージングループも来年、iPad専用雑誌を創刊する。

 だがその道筋は平坦ではない。ニューズ社傘下の英タイムズ紙とサンデー・タイムズ紙は夏にウェブサイトの有料化に踏み切ったが、サービスの利用者は10万人。無料で随時更新されるウェブニュースに慣れた消費者が、今さら1日1回発行という新聞スタイルに飛び付くか疑問視する声も強い。

 一番喜んでいるのは読者でなく、辞めずに済む記者かも。

[2010年12月 8日号掲載]

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