コラム

1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きくて美しい」減税法案のツケとは【風刺画で読み解くアメリカ】

2025年07月03日(木)15時30分
ロブ・ロジャース(風刺漫画家)/パックン(コラムニスト、タレント)

法案には、チップが課税されない新しい措置もある。ウエートレスやバーテンダーなどの労働者に優しいと主張する人もいるが、彼らは低所得者であれば、そもそもチップを含めて所得税をあまり払っていないはず。ズルい例を挙げると、コンサルや弁護士は報酬を給料ではなくチップとしてもらえば、同じ税控除を受けられるはず。僕も出演料をチップとしてもらおう。なんだったら、下着に挟んでもらってもいいし。

風刺漫画で低所得者がやられるのはなぜネジなのかというと、get screwed(ネジを止められる)はスラングで「痛めつけられる」という意味だから。ストレートな表現だ。ねじっているが、ひねっていない。


ポイント

BIG? YES. BEAUTIFUL? NOT SO MUCH.
大きい? 確かにね。美しい? 冗談じゃない。

ONE BIG BEAUTIFUL BILL
2017年にトランプ1期目で導入した減税措置の恒久化を軸とする法案。減税と社会支出の大幅な削減を掲げるが高所得者優遇が目立つ。

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プロフィール

パックンの風刺画コラム

<パックン(パトリック・ハーラン)>
1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

パックン所属事務所公式サイト

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