<与野党が拮抗する下院で、共和党は「1議席」も失いたくない>

今月、初登院した連邦下院の新人、ジョージ・サントス議員(共和党、ニューヨーク3区選出)に関しては、昨年11月の中間選挙で当選した前後から経歴詐称の疑惑が取り沙汰されていました。とにかく、その「ウソ」が膨大であり、サントス議員に関しては経歴のほとんどが虚偽であったと言っても過言ではないと思います。主要なものだけでも、

「ユダヤ系でホロコースト被害者の子孫」(ウソ、本当はブラジル系でカトリック)

「名門進学高校に在籍、その後大学進学して卒業、更にニューヨーク大学でMBA取得」(全てウソ)

「シティバンク、ゴールドマン・サックス証券に勤務」(どちらもウソ)

「自分はガンに罹患したが生還」(ウソ)

「母親(故人)が9.11テロに遭うも奇跡的に生存」(ウソ、本当はその時点で母親はブラジルで生活)

といった詐称が報じられています。なお、本稿の時点では連邦下院の公式サイトからリンクされている議員の紹介欄では、怪しい経歴は全て削除されています。

連日報じられるスキャンダル

1月に入って議会が開会されると、さらに様々な疑惑が報じられるようになって来ました。

「動物愛護の基金を偽名で主宰していたが、そのカネをネコババしていた」

「ブラジル時代に女装のチャンピオンだった」

「ゲイと公言して同性婚していながら、女性と重婚していた」

「選挙区に居住していなかった」

この4つのストーリーについては、サントス議員自身には何らかの言い分があるようですが、いずれにしても、ニューヨークのメディアでは連日のように「サントス議員のスキャンダル」に関して大きく報道しています。

そのサントス議員に関しては、ライバルの民主党の議員団からは、即時議員辞職の声が大きくなっています。また国外逃亡の可能性があるので、パスポートを無効にすべきといった主張もあります。

同僚である、ニューヨーク州選出の共和党下院議員の多くも、サントス議員の辞職を要求しています。近所の選挙区でここまで激しいスキャンダルがあると、同じ共和党の自分にまで悪評が起きてしまい、次の2024年11月(残り1年10カ月しかありません)の下院全員改選の選挙が危なくなるからです。

補選になれば議席を奪われる?