コラム

中国バブルは崩壊する、だがそれは日本人が思うバブル崩壊ではない

2021年09月29日(水)21時05分

今年に入って信託貸付などの残高は減っており、一部では資金回収が進んでいる様子がうかがえる。一方で融資残高は増加が続いており、不良債権が顕在化すれば一部が回収不能となることも考えられる。

もっとも中国の場合、国有企業と民間企業には当局の対応において雲泥の差があり、多くの政治利権が絡む国有企業は政府が全力で救済する可能性が高い。日本ではハードランディングが選択できず、不良債権処理に時間を要し、これが経済の長期停滞を招いた。

中国の場合、国有企業と中核となる民間銀行は政府が全面的に支援する一方、重要性の低い企業や金融機関は放置することも十分あり得るため、この場合にはソフトランディングとハードランディングの折衷型となる。

中国はかつて文化大革命を行った国であり、一部の国民が犠牲になったとしても権力闘争や秩序維持が優先される。西側諸国とは基本的な価値観や制度が異なっており、われわれの感覚でいうところのバブル崩壊は発生しにくいと考えたほうがよいだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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