新型コロナによる経済損失を「スペイン風邪」の歴史から考える

スペイン風邪は最初の流行後も第2波、第3波が起きた US ARMYーHANDOUTーREUTERS
<世界で4000万人が犠牲になったのに、経済への影響が大きくなかったのはなぜ? 当時と現在で共通する日本経済の問題点とは?>
新型コロナウイルスによって各国経済に深刻な影響が及ぶことが確実視されている。日本でも2020年4~6月期のGDPは年率換算で20%以上のマイナス見通しで、通年でも数%減となる可能性が高い。
経済界では今後の計画すら立てられない状況だが、こうした危機の際、もっとも頼りになるのは歴史である。100年前に発生したスペイン風邪が経済にどのような影響を与えたのか考察する。
スペイン風邪は1918年から20年にかけて大流行したインフルエンザである。全世界で4000万人が死亡したとされ、日本国内でも40万人近くの犠牲者を出した。一斉休校やマスクの着用など、いま行われているものとほとんど同じ対策が実施されている。
旧内務省の資料によると、感染が完全に終息するまでに3年を要した。その間に流行のピークは3回も発生しており、いずれも冬の時期に集中している。多くの感染症専門家が、今年の冬に再び感染爆発が発生する可能性が高いと指摘しているのは、この事例を参考にしているからである。
当時より医療水準が向上したとはいえ、ワクチンも完璧な特効薬も存在していないという点で状況はあまり変わっておらず、国際的な人やモノの移動はむしろ活発になっているので、環境が悪化している面もある。感染症の専門家がスペイン風邪を参考にして対策を決定しているのであれば、経済面でも有益な情報源になるはずだ。
スペイン風邪の経済への影響は?
意外に思うかもしれないが、これだけ猛威を振るったにもかかわらず、スペイン風邪は経済にそれほど大きな打撃を与えなかった。スペイン風邪の流行は第1次大戦中に発生しており、戦争特需のほうが感染症によるマイナス効果を上回ったことから経済は堅調に推移した。
特に戦禍に見舞われなかった日本は空前の好景気となり、戦争期間中の平均成長率(実質)は6.5%に達したほか、株価も高騰し、80年代のバブル経済を彷彿とさせる大相場になった。
では、感染症は経済に大きな影響を与えないと結論付けてよいかというとそうではない。スペイン風邪は結果的に第1次大戦を終了させるきっかけとなり、終戦を境に世界経済の状況は大きく変わった。
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