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焦点:中国の全人代、西側対抗で技術競争のロードマップ発表へ

2026年03月04日(水)13時05分

 上海にはためく中国国旗。2月28日撮影。REUTERS/Go Nakamura

Eduardo Baptista Laurie Chen

[北京 2日 ロイ‌ター] - 中国は5日開幕する「全国人民代表大会(全人代)」で、西側諸国に対‌抗して技術競争の次の段階をどのように進めるのかについての計画の概要を発表する。人工知​能(AI)、宇宙開発、ロボット工学で相次ぐ画期的な技術革新によって産業規模を拡大し、資本市場に弾みをつける方針を盛り込む。

指導部は全人代の開会式で年次の政府活動報告と予算案、⁠さらに産業政策の優先順位を決定づける広範な設計​図となる2026年から30年までの第15次5カ年計画の概要を発表する。

これらの報告書は、中国政府がどの産業を優先し巨額の資金投入や政策的支援を実施するのかを示す。

昨年は「AIモデル」に初めて言及した一方で、人型ロボットを作動させる技術である「エンボディド・インテリジェンス(身体化された知能)」にも焦点が当たった。

<衝撃後のAI戦略>

今回の全人代は、習近平国家主席とトランプ米大統領が今月31日から4月2日に予定する首脳会談の数週間前に開催される。首脳会談は技術規制とサプライチェーン(供給網)が主要な議題と⁠なる見通しだ。

また、高度なチップや製造装置を巡る米国の厳しいアクセス規制にもかかわらず、中国のAI開発者が能力の飛躍的な向上によって世界の注目を集めてから1年が経過することにもなる。

中国のスタートアップ企業ディープシークが開発費を抑えたAIモデルを⁠昨年発表した​際には、世界的なIT株の売りを引き起こした。中国の米国に対抗する技術競争力を巡る認識を改めさせており、数日中に次世代モデルを投入すると広く見込まれている。

アドバイザリー会社プレナム・チャイナのシニア・アナリストのシュージン・ホー氏は、政策立案者が大規模な国有企業を主要な導入者として活用し、スタートアップや専門部品供給業者を実地展開に引き込む「AIプラス製造業」を推進する可能性が高いだろうと言及した。

しかし、この戦略は中国の産業構造を再編することもまた予想される。

大和鋼管工業の中村慎市郎社長は中国のAI推進が導入コストを吸収できる資本集約的な大企業に有利となる一方で、中小企業が構造的な制約に直面する可能性が高いだろうと⁠して「中国の大企業と中小企業の格差が広がり業界再編が加速するだろう」との見方を示した。

<人型ロボットと宇宙開‌発>

中国の5カ年計画の設計図はエンボディド・インテリジェンスに対する注力をさらに強めるだろうと予想される。

中国は2月、最も視聴率の高いテレビ番組であ⁠る国営中国中⁠央テレビ(CCTV)の春節特別番組で、中国製の人型ロボットが踊りや武術を披露するのをステージの中心に据えてこの分野の進歩ぶりを誇示した。

ハードウエア技術の飛躍的な向上が中国のロボット工学に対する自信を支えている。

中国の主要な人型ロボット開発の新興企業ユニツリー・ロボティクス(宇樹科技)と密接に連携しているコンピュータビジョン企業リアルセンスの幹部マイク・ニールセン氏は「電子機械工学、とりわけバランス、モーター制御、動的な移動能力がこの12カ月間で劇的に向上した。中国は大きな勢‌いを示しており、初期段階のプラットフォームが今や非常に高い敏捷性と安定性を実証している」と訴える。

しかし、中国の規制当局​はまた、150社以上‌存在する人型ロボット開発企業に違いがほとんど⁠ないと警告している。アナリストらは電気自動車(EV)のような以前の戦​略部門よりも早く業界の再編が起こる可能性が高いだろうと話している。

宇宙もまた研究成果を産業力に転換しようとする中国政府の意欲にとって試金石となっている。民間ロケット企業の藍箭航天空間科技(ランドスペース)は昨年12月、中国企業として初めて軌道投入クラスの再使用型ロケットの完全テストを実施したのに続き、今年中に再使用型ロケット「朱雀3号」の回収試験を再び実施する計画を立てている。

こうした盛り上がりがある一方で、米調査会社ロジウム・グループは1月の報告書で、中国の新興産業が今後数年間の5%の国内総生産(GDP)成長を支‌えるだけの十分な投資を生み出さず、中国政府は経済を支えるために引き続き輸出に依存し続けるだろうと述べた。

プレナム社のホー氏によると、こうした事情のためにまた、中国政府は自動運転のようにより短期間で商業的な効果をもたらす部門を優先するだろ​うという。

<サプライチェーンと交渉力>

アナリストらによると、サプライチェーン自体が地⁠政学的な圧力の手段となっている状況で、5カ年計画はまた中国政府が技術開発の推進を支える産業基盤をどのように保護するつもりかについても精査を受けるだろうという。

中国はこの1年間、レアアース(希土類)や汎用型半導体に対する輸出管理の行使を拡大し、世界的なサプライチェーンを混乱させ、中国政府の経済的な交渉力を​強化してきた。

中国国務院と工業情報省はコメントの要請に応じなかった。

米バイオものづくり研究機関バイオメイドのダグ・フリードマンCEOは、世界経済にとって不可欠な他のサプライチェーンも中国に対する依存状態から影響を受けやすいとして「レアアースで起きている状況は工業用化学品業界でも起きている」と言及する。

フリードマン氏は米国と中国の関係に触れて「両国は現在、互角の状態にある。今後3年から5年の間に投資を倍増させた方が真のリードを勝ち取るだろう」と予想した。

ロイター
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