アフリカ諸国に影落とすサウジ・UAEの利害対立、地域分断進める
エチオピアで14日から行われたアフリカ連合(AU)首脳会議は、ソマリアなど「アフリカの角」と呼ばれる地域を巡るサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の利害対立が影を落とす形になった。写真はアフリカ連合委員会本部(2026年 ロイター/Tiksa Negeri)
[ロンドン/ナイロビ 14日 ロイター] - エチオピアで14日から行われたアフリカ連合(AU)首脳会議は、ソマリアなど「アフリカの角」と呼ばれる地域を巡るサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の利害対立が影を落とす形になった。9人の外交官や専門家が明らかにした。
サウジとUAEのあつれきは、同じ中東のイエメン南部で異なる勢力を支援したことで始まった後、紅海を挟んでソマリア、スーダン、エチオピア、エリトリア、リビアなどにも広がっている。
近年UAEは、アフリカの角地域で多額の投資や強力な外交、軍事支援を通じて影響力の大きな国となった。
一方、サウジはそれに比べて存在感は小さかったものの、複数の外交官によると現在はエジプトやトルコ、カタールと連携してUAEに対抗する足場を築きつつある。
ある外交官はロイターに「サウジは目を覚まし、紅海を失うかもしれないと気づいた。彼らが眠っている間にUAEがアフリカの角で活動を続けていた」と語った。また、現在、対立の場となっているのはソマリアで、スーダンなどでも対立の構図が生まれているとの見方を示した。
複数の外交官は、こうした中でアフリカ諸国や武装勢力がサウジとUAEどちらかの陣営に属することを選ばざるを得なくなっていると指摘する。
米メリーランド大学でアフリカの角を専門に研究するマイケル・ウォルデマリアム氏は、エリトリアやジブチ、ソマリア、スーダン国軍(SAF)といった地域の当事国は、UAEによる「剛腕」外交への懸念を強めていると話す。
ウォルデマリアム氏は「サウジはアフリカの角でUAE(の影響力)を限定ないし抑制しようとするかもしれない。しかしどうなるかはまだ分からない。UAEはこの地域に遠征軍的な軍事プレゼンスから濃密な金融ネットワークまで多大な影響力行使の手段を有している」と解説した。
これに対して複数のサウジ政府高官は、UAEのイエメンやアフリカの角における行動がサウジの安全を脅かしているとの懸念を示している。
UAE側は、アフリカの角などにおける戦略は過激派に対抗して当該国家を強化するのが目的だと主張する。だが国連の専門家や西側の関係者は、その戦略が特に紛争をあおり、権威主義的な指導者を支援していると分析している。
スーダン内戦でもサウジが国軍、UAEが国軍と対立する即応支援部隊(RSF)をそれぞれ後押しし、事態を紛糾させている。
しかし最大の問題はやはりアフリカの角になりそうだ。
欧州連合(EU)の元地域担当特別代表アレックス・ロンドス氏は、アフリカの角が中東の対立の副次的な舞台になってしまったと述べた。
ロンドス氏は「サウジとUAEは、その影響を十分に理解しているのだろうか。アフリカの角は、これらの外国の対立とアフリカの共謀者たちによる分断を許してしまうのか」と問いかけた。





