米株式市場の「ソフトウェアマゲドン」、買い機会か見方分かれる
写真はニューヨーク証券取引所。1月21日、ニューヨークで撮影。 REUTERS/Brendan McDermid
Lewis Krauskopf Suzanne McGee
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米株式市場でソフトウェア株が急落し、「ソフトウェアマゲドン」と呼ばれる状況が拡大している。投資家の間では、売り込まれた銘柄に再び目を向けるべきかについて意見が分かれている。
今回の下落は、人工知能(AI)が既存のソフト産業に与える破壊的影響への警戒感が背景にある。投資家はAI時代の「勝ち組」と「負け組」の選別を始めている。
オーシャン・パーク・アセット・マネジメントのジェームズ・セント・オーバン最高投資責任者(CIO)は「今回の売りは、AIの破壊力に市場が目覚め始めた表れだ。過剰反応の可能性はあるが、脅威は現実であり、バリュエーションはそれを織り込む必要がある」と述べた。
S&P500ソフトウェア・サービス指数は過去1週間で13%下落し、時価総額で8000億ドル超が失われた。インテュイット、サービスナウ、オラクルなどが大きく売られた。一方で、こうした急落を受けて当面の底入れを示唆するテクニカルサインも点灯しており、一部の運用者は買いを入れ始めた。
オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジェイク・セルツ氏は、「長期的な価値はあり、魅力的な水準に近づいている」と述べ、サービスナウやマンデー・ドット・コムを「限定的に」買い増していると明らかにした。ただ、AI関連製品の収益拡大や企業による導入実績といった明確な材料が出るまで様子見の姿勢だという。
市場全体では、テクノロジー株から、これまで出遅れていた生活必需品、エネルギー、工業株など、より割安感のあるセクターへ資金が移動している。
リサーチ・アフィリエーツのジム・マストゥルツォCIOは「割高な銘柄を売る理由は、テック株急落によるパニックではなく、より妥当な水準で上昇余地の大きい魅力的な投資機会がほかにあるからだ」と語った。
グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッドCIOは、テクニカル面から「少なくとも短期的な底に近い可能性がある」との見方を示し、サービスナウやマイクロソフトを小口で買い入れたと明かした。既存のソフトインフラがAIによって全面的に置き換えられるとは考えにくいとも述べた。
ヒルトル・キャラハンのブラッド・コンガーCIOは、SAP、アドビ、インテュイットの購入を検討し始めたと述べた。「反発してもおかしくない」としつつも、現在の水準での買いには慎重で、「(AIによる)最悪の脅威が織り込まれたと確信できない」と語った。
一部には、中国のAI企業ディープシークが低コストのAIモデルを発表し、相場が昨年急落した時と似た展開との見方もある。
インベスコのテーマ&スペシャルティープロダクト戦略責任者レネ・レイナ氏は、AIの能力への理解が進む中で、市場は将来のソフト販売の伸びに対する期待を引き下げていると分析。「行き過ぎかどうかはまだ判断できないが、売りが売りを呼ぶ可能性がある」と警戒感を示した。
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