ニュース速報
ワールド

米株式市場の「ソフトウェアマゲドン」、買い機会か見方分かれる

2026年02月05日(木)17時13分

写真はニューヨーク証券取引所。1月21日、ニューヨークで撮影。 REUTERS/Brendan McDermid

Lewis ‍Krauskopf Suzanne McGee

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米‌株式市場でソフトウェア株が急落し、「ソフトウェアマゲドン」と呼ばれる状況が拡大している。投資家の間では、売り込まれた銘柄に再び目を向けるべきかにつ‌いて意見が分かれている。

今​回の下落は、人工知能(AI)が既存のソフト産業に与える破壊的影響への警戒感が背景にある。投資家はAI時代の「勝ち組」と「負け組」の選別を始めている。

オーシャン・パーク・アセット・マネジメントのジェームズ・セント・オーバン最高投資責任者(CIO)は「今回の売りは‌、AIの破壊力に市場が目覚め始めた表れだ。過剰反応の可能性はあるが、脅威は現実であり、バリュエーションはそれを織り込む必要がある」と述べた。

S&P500ソフトウェア・サービス指数は過去1週間で13%下落し、時価総額で8000億ドル超が失われた。インテュイット、サービスナウ、オラクルなどが大きく売られた。一方で、こうした急落を受けて当面の底入れを示唆するテクニカルサインも点灯しており、一部の運用者は買いを入れ始めた。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジェイク・セ​ルツ氏は、「長期的な価値はあり、魅力的な水準に近づいている」と⁠述べ、サービスナウやマンデー・ドット・コムを「限定的に」買い増していると明ら‍かにした。ただ、AI関連製品の収益拡大や企業による導入実績といった明確な材料が出るまで様子見の姿勢だという。

市場全体では、テクノロジー株から、これまで出遅れていた生活必需品、エネルギー、工業株など、より割安感のあるセクターへ資金が移動している。

リサーチ・アフィリエーツのジム・‍マストゥルツォCIOは「割高な銘柄を売る理由は、テック株急落によるパニッ‍クでは‌なく、より妥当な水準で上昇余地の大きい魅力的な投資機会がほか‍にあるからだ」と語った。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッドCIOは、テクニカル面から「少なくとも短期的な底に近い可能性がある」との見方を示し、サービスナウやマイクロソフトを小口で買い入れたと明かした。既存のソフトインフラがAIによって全面的に置き換えられるとは考えにくいとも述べ⁠た。

ヒルトル・キャラハンのブラッド・コンガーCIOは、SAP、アドビ、インテュイットの購入を検討し始めたと述べた。「反発してもおかしくない」としつ⁠つも、現在の水準での買いには慎重で、「(AIによ‍る)最悪の脅威が織り込まれたと確信できない」と語った。

一部には、中国のAI企業ディープシークが低コストのAIモデルを発表し、相場が昨年急落した時と似た展開との見方もある。

イ​ンベスコのテーマ&スペシャルティープロダクト戦略責任者レネ・レイナ氏は、AIの能力への理解が進む中で、市場は将来のソフト販売の伸びに対する期待を引き下げていると分析。「行き過ぎかどうかはまだ判断できないが、売りが売りを呼ぶ可能性がある」と警戒感を示した。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドネシアGDP、25年伸び率は5.11% 3年

ビジネス

独VW、中国車両の大半を小鵬と共同開発の新技術で生

ワールド

米ロ核軍縮条約失効、新たな軍拡競争の懸念 中国が対

ビジネス

独鉱工業受注、12月予想外の2年ぶり大幅増 基調改
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 4
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中