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G7や豪印など、レアアースの対中依存度引き下げ協議

2026年01月13日(火)12時36分

写真はドイツのクリングバイル財務相。2025年12月11日、ベルリンで撮影。REUTERS/Annegret Hilse

Maria ‍Martinez Kanishka Singh

[ワシントン 12日 ロイター] - 主要7カ国(‌G7)などの財務相は12日、ワシントンで会合を開き、中国産レアアース(希土類)への依存を減らす方法について協議した。

閣僚らによると、協議の内容には価格の下限設定や、‌代替供給源を構築するための新​たなパートナーシップなどが含まれている。

会合はベセント米財務長官が主催。G7に加え、オーストラリア、メキシコ、韓国、インドの財務相も参加した。

グリア米通商代表部(USTR)代表や米輸出入銀行、JPモルガンの代表者も出席したが、会合後の共同声明は発表されていない。

米財務省によると、ベセント‌氏は「重要鉱物、特にレアアースのサプライチェーンを確保し、多様化するための解決策を議論すること」を求め、各国が中国との「デカップリング(切り離し)」ではなく、慎重な「デリスキング(リスク低減)」を追求することに楽観的な見方を示した。

中国はレアアースに対して厳格な輸出管理を課している。

片山さつき財務相は記者団に対し、レアアースの中国依存を迅速に低減させる必要性について、幅広い合意が得られたと発言。中国以外からのレアアース供給を強化するため、短期的、中期的、長期的な政策アプローチの概要を説明したという。

同相によると、労働条件や人権の​尊重といった基準に基づいた市場の創出に加え、公的金融機関による支援⁠、税制・金融上のインセンティブ、貿易・関税措置、検疫措置、最低価格の設定など、幅広い‍政策ツールの活用が含まれる。こうした措置を確約することの重要性を強調したという。

ワシントンの中国大使館のコメントは現時点で得られていない。

ドイツのクリングバイル財務相によると、会合ではレアアースの中国による市場支配や、供給過剰による価格下落に対抗し、中国以外の生産国が最低限の水準を確保できるよう価格の‍下限設定について協議。

クリングバイル氏は「誰かに対抗するためではなく、パート‍ナー間‌の協力を強化するための措置」とし、「最低価格を設定することの利点とし‍て、市場で予測可能な価格を把握できるようになることのほか、市場価格に影響を及ぼそうとする国の影響力を最小化できることが挙げられる」と語った。

ただ、多くの課題は依然として未解決。クリングバイル氏は「向こう数週間で明確にしなければならない課題が数多く残っている」と述べ、財務相だけでなく、外相やエネルギー担当相の協議も⁠必要になるとの認識を示した。

クリングバイル氏によると、中国は今回の会合について今のところ反応していない。

同氏は、レアアースと重要鉱物の供給が、今年の⁠G7議長国であるフランスのもとで中心的な議題になる‍だろうと述べた。

ただ、同氏は対中包囲網の形成には警鐘を鳴らし、欧州は重要な原材料の供給源を独自に開発するため、より迅速に動く必要があると強調した。

「私にとって非常に重要なのは、欧州が傍観​しないことだ」とし「われわれは行動を起こさなければならない」と述べた。

同氏はまた、ドイツの新しい原材料基金を例に挙げ、欧州連合(EU)レベルでさらなる資金調達が必要だと発言。EUがリサイクルについても早急に動く必要があるとし、依存度の低減と供給の拡大で「大きな潜在力」があるとした。

ロイター
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