英労働市場、求人減少も賃金上昇 中銀にジレンマ
2025年12月16日、英国ロンドンで、朝のラッシュアワーにロンドン橋を渡る労働者と、その背後に見えるロンドン金融街の高層ビル群。ロイター/トビー・メルビル
[ロンドン 22日 ロイター] - 英求人・求職サイトのアズナが22日に発表したデータによると、英国の労働市場は11月にさらに悪化し、求人件数が大幅に減少した。一方、給与は上昇し、イングランド銀行(英中央銀行)が直面するジレンマを浮き彫りにした。
オンライン求人広告は11月までの12カ月間で15.2%減少し、今年最大の落ち込みとなった。10月からは6.4%減少し、5カ月連続のマイナスを記録した。
リーブス財務相が昨年初めて発表した予算に盛り込まれた社会保障料の雇用主負担引き上げが4月に導入されて以降、英国の雇用主は採用により慎重になっている。
さらなる増税の可能性への懸念も雇用市場の重しとなっており、10月までの3カ月間の英失業率は5.1%に上昇し、2021年以来の高水準となった。
しかし、アズナによると、広告掲載給与は前年比7.7%増と前月の7.3%増から伸びが加速。情報技術(IT)業界で大幅に増加し、給与が減少したのは2つの業界のみだった。
英中銀は先週、景気低迷を受けて政策金利を引き下げたが、引き続きインフレを懸念していることを示した。





